ヨーカン長屋から

日暮れにたどる小野家の食卓

ダニー・ボーイ

今月のブッククラブ小説『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を英語で遅々と読んでいる。難しいので日本語版も先に読み返した。村上春樹から一冊と言われて『羊をめぐる冒険』と迷った。あの景色はスコットランドでも通じると思ったから。

『ハードボイルド』日本語版を読み返した感想。世界の終わりに留まる僕に今回は温かい気持ちが涌いたのが新鮮。『羊をめぐる冒険』でも僕は鼠男を喪失するが、影の旅立ちを僕が見送るのと自分の分身を殺すのは痛みの種類が違う。『羊』の傷を伴って旅立つ終わりは清々しい。若さだ。世界の終わりの鈍痛を心地良いと感じるのは大人になったせいか。

ところが今日ふと思って『ダニー・ボーイ』を聴いて本当に驚いた。灰色の街の記憶が一気に映像的に起き上がって色彩を帯び、活字だけの印象よりずっと優しい世界になった。さらにこの音色で思い出したのは、僕によってこれから世界の終わりがほんの僅かずつ変わる希望、それをもう忘れかけていたこと。さっきからspotifyで色々なバージョンのダニー・ボーイを20曲くらい聴いている。タララ〜ララララララララ〜。ドライなSFにエンドロールが沁みてウィスキーの氷がカランと、そっちのハードボイルドだったか。名作だなあ。いつもの酒と音楽のくだり、『ダニー・ボーイ』はしつこく登場したからとうとう聴く気になったのだ。良かった。『羊をめぐる冒険』もいつか音楽つきで再読してみよう。

ウェス・アンダーソンの新作が公開。観に行かなくちゃ。

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