ヨーカン長屋から

日暮れにたどる小野家の食卓

月別アーカイブ: 6月 2012

ムーンライズ・キングダム

夫とさっちゃんとGreenwichに観に行った。
スカウトボーイと文学少女、不良の初恋。
客席中が主役、あのころの自分状態だったのでは。
恋のシーンは若いふたりに雄叫びを上げそう。いいなあ。
昨夜のブックグループでは「良い本はみんな暗い」という話になり、人が死なない名作が思い浮かばなくて盛り上がったのに比べて、この話の楽しかったこと。ハッピーエンドは映画に限る。
昼食 Greenwichで公園角のイタリアン。ムール貝のトマトスパゲティ(わたし)茄子とズッキーニのペンネ(夫)チーズニョッキ(さっちゃん)
夕食 鶏と白菜のあんかけ、大根の味噌汁、ねぎのピクルス、ご飯

祝、村上春樹

第三回ブックグループ。

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』。

「イラッとする文」で終わらされたらどうしよう、と不安だったディスカッション。あまり不安だったので村上春樹の名誉のため自作のストーリーマップを持参。これが受けて終わってみれば大盛り上がり。

ハードボイルドワンダーランド章のSFアドベンチャーに乗り切れずギブアップの人も数名、「ブレイクポイントを越えたらあとは止まらなかった」という人も何人も。それが案外、この人には村上ワールドわからないかもと予想していた人だったりして面白かった。世界の終わり章はこっちだけ読んだらラブストーリーだというわたしの再発見に多くの賛同を得て大満足。人の内面を知るのは楽しいし、同じ感覚の友達を見つけるのはいつでも最上の喜び。この感動が生きる勇気のみなもとだ。ようやく、頻繁にそれが起こる段階に達しつつあって嬉しいと思う。

次回課題図書は『グレイト・ギャッツビー』。

夕食 ローストポテト、海老とマッシュルームのソテー、ガスパッチョ

甲府みやげ

日本の家族から小包が届いた。父母が盲会の遠足で行った甲府のお土産の信玄餅と信玄桃(おまんじゅう)とバスの中で配られたお菓子の詰め合わせが入っていた。

盲会は目の不自由な人の集まりだというのに親睦イベントは驚くものが多い。以前、全員同伴ガイドさん付きで河原でBBQをしたという話にびっくりしたが、今回の遠足は美術館で『落ち穂拾い』を見たり触ったりして感想を述べ合ったという。うちの母は視力のあるうちに名画などは見たことがなかったと思う。遠足帰り、指先に残るミレーはどんなであったか。

信玄餅の食べ方、和菓子好きの鼓介。こうやって食べてもいいんだなあ、と感心するカラ容器。一滴一粒残さぬ完食。餅が苦手の新太はこぼれたきな粉を専門に吸い、舐める。普通に信玄餅を食べたい人と好相性。信玄桃はきれいな箱を開けたらピンクの桃まんじゅうが並んでいて一瞬、新太が中からほほぎゃあと桃太郎が!と期待した様子。わたしがこれはお饅頭だよと指摘したらとても照れていた。

サンデー島

この夏のホリデー計画が決まった。

スコットランド北東、オークニー諸島のサンデー島。お好み焼きもっちゃんの義理のお母さんの家で1週間お世話になる。

例年、YES !太陽 、YES!ビーチ 、YES !魚貝で南ヨーロッパひとすじだったが、 今年はVISAの手続きで国外に出ることが出来ない。先日イギリスの海でも泳げたしウェットスーツを買って行こう。夫は静かなサンデー島でプログラミングをしたいそうだ。「プログラミングは作家が本を書く感じと似ている」らしい。似てるのかなあ。

昼食 フランクフルト入りピラフ(夫、こども)、エチオピア料理(わたし)

夕食 鶏とひじきの炊き込みご飯、キャベツの味噌汁(夫、こども)、お好み焼き、マレーシアパンケーキ(わたし)

帆船、トンネルの向こう

気温が上がらない夏にやっと青空の土曜日。

修復が完了したCutty Sark号を見にGreenwichに行く。

茶貿易における帆船時代の終盤、19世紀の船。中国の港からいかに速く運ぶかで茶葉の値段が決まるから、重い蒸気船でなく小さな高速帆船が用いられたのだと。インド洋からテムズ川へのボートレースはとても華やかなものだったらしい。

初めて見るカティサーク号。
黒い船体に金色のラインが渋く、想像よりずっと高い柱、長い横軸、無数のロープ、直線が美しい。外周をふち取る万国旗の小ささも良い。マストを降ろした姿を想像して興奮、車やバイクに惚れ込む男の人の気持ちがわかる。このまま帆船マニアになってもおかしくないほど美しい、と思うのは青空の下、テムズ河岸で見るからだろう。博物館でこんな気持ちになったことはない。

桟橋のトンネルを歩いてテムズ河を渡りDocklandsに上陸。対岸から見る横長のグリニッジも良い。向こう側にも小野家がいそう。不思議な中州地帯を進むとだんだん緑が濃くなってきて自然公園、その先に牧場が現れる。牛、豚、馬から鶏類、小動物まで何でもいる。一円も使っていないのに何て楽しい日帰り旅行。グリニッジにロープウェーが出来たという噂が気になったが未確認のまま家路につく。

5時キックオフの欧州選手権に合わせて帰宅。ちょっと二階で片付けをしてからリビングルームを覗いたら夫と新太はソファで昼寝、鼓介ひとり静かにオランダ対デンマークを観ていた。

昼食 野菜炒めラーメン、ゆかりおにぎり

夕食 肉団子とチャイブのスープ、ガーリックトースト

児童文学と粋な劇団

ハーフタームホリデー後半。

劇場に『Tiddler』を観に行った。

原作の絵本作家ジュリア・ドナルドソンは今期のChildren’s Laureates受賞者だ。Children’s Laureatesは児童書の作者やイラストレーターに贈られる本屋大賞のようなもの。小学校には教科書というものがないが、教材に使われる作家をフォローすると面白い。常に何かが劇場で上映されているし、町の書店や地域の催しに作家本人が話をしに来たりもするので児童文学大使とも言える。

『Tiddler』はうちから電車で1時間ほどのロンドン北部FinchleyにあるArts Depotという劇場で観た。海のお話。シンプルな舞台におしゃれな男女3人組。ライティングや音楽、小道具のしかけがたくさん。凝った創作なのにモダンに見えて素晴らしかった。この粋な劇団はScamp theatreというそうだ。好きなお話の世界に行きたい願望は少女期のわたしの夢だが、良い演劇ほどに浸れる幸せってそうはないと思う。最近自分がイギリスの小学生そのものになりつつある。

昼食 力うどん(鼓介)チキンカツ定食(わたし、新太)餃子(みんなで)Finchley Central駅近くの和食屋『だるまや』にて。定食のボリュームが今ひとつ。

夕食 ジャケットポテト、酢豚、トウモロコシと豆のサラダ

ジュビリーキャンプ

エリザベス女王即位60周年の4連休。

4家族でキャンプに行った。初めてのウエスト・サセックス。広い緑の平地が、その幅のままどーんと砂浜、海になる。大きな巻物を伸ばしたような景色だ。のっぺりのんびりしていて良い。海の向こうのワイト島も平べったかった。気持ち良さそうだったので泳いでみた。イギリスの海は冷たくて絶対泳げないと思っていたが、今までのどの海より温かかった。連休なのに海の中にはわたしたちしかいなくて最高だった。何年住んでも新しいことはまだまだある。もっと西にも行きたいな。

キャンプのご飯。昨年も同じメンバーで行き、みんなプロセスフードづくしで便秘になった経験から今回は野菜が多かった。

1日目

昼食 サンドイッチ(スモークサーモン&クリームチーズ、ハム&ブロッコリー)

夕食 パスタトマトソース(こども)ラムカレー、チキンカレー、ご飯、きゅうりとミントのヨーグルトのサラダ(おとな)

カレーはほかの家族が家で作って持って来た。いちばん上手なアンディのカレーを嫁が冷蔵庫に忘れてきてとても落ち込んでいた。ラムカレーは特大の骨付きを柔らかく煮たもの。じゃがいもも丸のまま。キャンプらしくワイルドで味も美味しい。チキンカレー担当はインスタントのルーとアンディに指摘されてムッとしていたようだった。小野家は昨年同様にご飯担当。炊きたてご飯を炊飯器に入れたまま持ち込むだけで一番楽なので今年はサラダとパスタソースも持参。

2日目

朝食 ソーセージサンド、ベーコンサンド

昼食 サンドイッチ(ハム&チーズ)

おやつ 焼きおにぎり

夕食 パスタトマトソース(こども)BBQ、ポテトサラダ、海老とコリアンダーのサラダ、キャロットケーキ(こども&おとな)

今日も新たなビーチを見つけて一日遊ぶが、キャンプ場に戻ると強風でみんなの食事場に使っていたテントが吹っ飛んでいて大落胆。急ごしらえの炊事場でBBQ。待ち時間に焼いた焼きおにぎりがこども、おとなに大好評で元気が出た。布が飛んでなくなり、フレームだけになったテントの真ん中に座ったルーカスのお父さんのサイモンが「明るくていいね」と言った。良い人だ。BBQはレモンとローズマリーでマリネしたチキンと、バーガー肉。ドイツ人マリオンのサラダが酸味が強くて旨かった。

3日目

朝食 ジャムトースト、シリアル

昼食 スパゲティ3種

夕食 カレー 屋buburのテイクアウェイ

アンディの叔父さんのお屋敷にお邪魔してパスタをごちそうになり、ロンドンで家の近くのパブまで戻ってみんなで一杯飲んでから帰った。

夜バッキンガム宮殿のコンサートをテレビで観た。最近のユニオンジャック猛プッシュはちょっと狂っている。でもエリザベス女王は相当に立派な人だと思う。幼稚園のパーティ用に作ったサンドイッチ。