ヨーカン長屋の日記

日暮れにたどる小野家の食卓

月別アーカイブ: 9月 2012

ケルトの子、ローマの子

小学3年生になった鼓介。今学期の学習テーマはローマ人の侵略。こどもに教わる世界史は本当に面白い。

グレートブリテン島にローマ国の兵士がやってきた。彼らは先住民ケルト人を侵略し、ロンドンの基礎となる町を築いたがヨーロッパ本島での戦が激しくなったので引き上げて行った。

これだけの話。おじいさんから聞いたらどうってことないと思うが、7歳児が語ると未来から来た使者のよう。

わたし「ローマ人はどうして来たの」鼓「新しいLandが欲しいから」わたし「なんでこのLandが欲しかったの」鼓「金、銀、鉄が取れるから」現代の戦争も資源の奪い合いが大きな原因のひとつと教えたその翌日。食卓の温野菜にオリーブオイルを付けながら「新太、このオイルが欲しくて戦争をしている国があるよ」と教える鼓介。このとき彼が想像したのがクレタ島で見たオリーブの林であったか、アバディーンで見た北海油田であったか知らないが、新太はマヨネーズ派である。

学期の半分をかけてひとつの時代を学ぶロンドン小学生。この秋はじっくりケルト人&ローマ人。

夕食:ベイクドポテト&チーズとベイクドビーンズ(こども。マックスの家で)ハムとマッシュルームのスパゲッティ、トマトの卵スープ(おとな)

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おねえちゃんの里帰り

さわや歌が遊びに来ていた。

ロンドン小野家訪問も3回目ということで、美術館、マーケットやイギリスの田舎町への興味もさほどでもないローキー滞在。本人曰く里帰り。わたしの方が浮かれてオペラのチケットを取ってしまった。オペラハウスは期待通り歌舞伎鑑賞の雰囲気があってよかった。『魔笛』は堅い題名の印象からほど遠い楽しいお話で『魔法の笛』と呼ぶ方が適切だねとい言い合った。ほかの日は夫の会社の近くのShoreditchやいつも行く海Whitstableなど馴染みの場所に一緒に行った。

さわや歌はウクレレを日本から持ってきて家で弾いていた。

そして今日鼓介が学校に行っている間に日本に帰っていった。鼓介がどうして帰ったかというので仕事があるからと答えたら「ああ〜ウクレレ?」「それは趣味だよ。さわや歌はオフィスで働いている」「何してるの?タイピング?」「さわや歌はボス?」と次々に質問が来た。はじめ同居人、そして居候、今新婚OL、未来はウクレレのボスかもしれない。おねえちゃんはユーラシア上空。またきてね。みんなもきてね。

昼食 イワシのディル&チリソテー、ズッキーニとバジルのサラダ、パン(さわや歌、わたし/Green and Blue)

夕食 キャベツとベーコンの炒め物、ひじきご飯、豆腐の味噌汁

サンデー島の夏休み

オークニーから帰って来た。

サンデー島の南西端にあるロージーの家から反対側の端までが車で10分。人も家もほとんどない。

島は横から見ると抹茶タルトのようだった。海抜が低く、土地が薄く平らで、砂の地盤、黄色い岩層、草の緑の層。大きな木がない。広い海も彼方まで遠浅。視界に凹凸というか、腰高以上のものがほぼ出現しない。小麦畑を歩いていたら大きな犬の背中を歩いているようだった。同じ場所を夜散歩したら月の明かりでシシ神さまだった。貝の取れる海に連れて行ってもらった。水が引いて光る砂の上を見渡せる限り歩くことができ、月面で潮干狩りしている感じがした。

海で泳いだらアザラシが少し離れたところで泳いでいた。止まるとアザラシも海面から顔を出す。泳ぐと平行して着いてくる。

ロージーもその彼もベジタリアンなので食料は庭の菜園からと、ロージーの焼くパン。ごちそうとして島の魚介類。蟹は身も旨みも詰まって美味しいのが毛蟹サイズで1.5ポンド!潮干狩りで取ったcocklesという貝は蛤の身を小ぶりにしたような上等の味。貝肉はそれほど厚くないが、袋の中にたっぷり水分を含む性質のようで、一粒ごとに海の味がして久しぶりにとろけるような幸せを味わった。セスと夫が魚も釣ってくれた。淡白で柔らかい青魚を頭からバリバリ食べたら恐がりのロージーの彼がギョッとしていた。

遅く起きてご飯を食べ、海に行き、ご飯を作る以外全く何もしない生活。学生時代から休暇は隠遁派で、中学高校は箱根のおばさん、大学になったら沖之永良島の曾祖父母のところへと通ってはボーッとしたものだが、またそういうぴったりくる場所に辿り着いたのが嬉しいと思った夏休み。