ヨーカン長屋の日記

日暮れにたどる小野家の食卓

月別アーカイブ: 12月 2012

サーモンはピンク

双子ちゃんママ、まりちゃんからお正月のお誘い。

まりちゃんは料理が大好き。今回は鮮魚を仕入れて元旦に刺身を食べようという企画により今朝、魚河岸Billingsgateに買い出しに行った。4時に始まり9時に閉まる卸売市場だ。早目に行こうと5時半に出発。6時過ぎには着いたというのに目あての刺身用鯛、まぐろなどは売り切れ。その代りに新鮮な鮭を丸一尾、たったの12ポンド(1,500円)で買った。体長60㎝ほどで、重さといい体の丸さといいエコバッグごしの感触が赤ちゃんのようで、スリングに鮭を入れて歩くところや、不思議の国のアリスの赤ちゃんが豚でなく魚だったら、と想像する。

ほかに牡蠣25個、生海老1kg、蟹2杯、帆立12枚を購入して全部で40ポンド少々(5,500円)。漁師汁など飲めたらねえと話していたが、その場で食べられる物は想像通りフィッシュ&チップスしかなかった。

家に帰ってからまりちゃんが鮭をさばいてくれた。みごと、サーモンピンク。鼓介と新太が起きてきて鮭のカマで遊び始める。恐がりの鼓介もこういうものは平気らしく鮭の口を開けて歯や舌を観察。魚に舌があるなんて考えたこともなかった。切ったそばから食べた刺身、醤油の皿一面に脂の玉。そのあと骨の部分を焼いて味噌汁を作ってみんなで朝ご飯を食べた。

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朝食 鮭の骨身塩焼き、大根おろし、ゆで海老、ご飯、ほうれん草とエノキの味噌汁

昼食 トマトパスタ(こども、夫)、茹で蟹(わたし、夫)

夕食 蟹のクリームスパゲティ(わたし、新太)、ニラ卵炒め、ほうれん草の味噌汁、納豆、ご飯(夫、鼓介)

クロスロード

クリスマスが明け、冬休み中盤に入る。

amazonで買った鼓介のギターのネックが太すぎて返品、買い直しのためHither Greenのギターショップに行く。

Hither Greenは郊外に行くときに通る小さな町だ。町といっても人家が密集した地域の一脈に、間に合わせみたいな店が数軒。静かな商店街を外れまで下ると大通りにぶつかる。歩行者がほとんどおらず高速道路に向かう車で交通量が急に激しくなる。この埃っぽい交差点にギターショップとTriumphのバイクショップが隣接したブルース・スポットがある。真ん中にアンティークの暖炉ショップがある。

その気になっていた店 “South Inn”に入る。天井からぶら下がった水色のフェンダー、桃色リッケンバッカー、つやつやのグレッチに驚く鼓介の顔は鳩のよう。ぐるりと見渡してこれが自分のサイズだな、と指したのはレスポール・ジュニアであった。ゆっくり眺めたいところだったが店主は唯一のお客であるわたしたち親子にギター史を講義するつもりもないらしく、早く向かいの系列音響ショップ“Tune Inn”に戻って仲間とお茶の続き楽しみたい様子であった。手短に3/4サイズのギターを試してLaurenという製品を55ポンドで買った。縁までペッタリ塗った黒いギター。玩具のようだが鼓介は気に入ったらしく、日記に「黒いギターをかった」と書いてあった。店で一番好きだった色はサンバーストだそうである。

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朝食 トースト、ヨーグルト、ミューズリー

昼食 ニラの卵とじスープ、肉まん、海老まん

夕食 豚汁、納豆、キムチ、ご飯、ケールのニンニク炒め

ハラワタグレイビー

クリスマスイブはOne Tree Hillの教会のキャンドルサービスに行く。こども達は夕飯の後、部屋を暗くしてテレビの『スノーマン&スノードッグ』を鑑賞。胸高鳴らせてベッドに入る。

寝る前に日本の朝を想像する。スノーマンのように上空から。メリークリスマス。

25日朝。サンタさんへの手紙の通り、新太の靴下に恐竜、鼓介にサッカーボールが届く。わたしたちからは新太にウクレレとF1カー、鼓介にアーセナル年間会員証と3/4サイズのギター。実家からふたりお揃いのアーセナルユニフォーム。朝食の最中に鼓介の歯が抜けた。

昼近く夫とローストチキンにかかる。鶏は夫に託しわたしはじゃがいもを担当。今年は内蔵付きの丸鶏を買ったので臓物の出汁でグレイビーソースを作った。これが美味しくてびっくりした。かすかに貝類の汁にも似て、貝の旨さはハラワタから絞り出されているのだと発見した。ローストポテトの下茹でを待ちながら隣で煮詰めているグレイビーを何度も舐めた。

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小振りな鶏を4人でむしるように食べ尽くしBlythe Hillを散歩してから洋梨のケーキを食べた。

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朝食 グレープフルーツ入りミューズリー(わたし)トースト、フルーツヨーグルト(夫、こども)

昼食 ローストチキン、ローストポテト、いんげん

鈴の音はすぐそこ

冬休み3日目。一家でロンドンの街に繰り出す。

まずLeicester Squareの劇場で『stickman』を観る。観劇には限りなく無関心の夫もしっかり眼鏡を持参している。出演者たった3人。スタイリッシュな作風にも関わらず、周到な舞台演出が観客(3歳〜)の集中を途切らせない。この頃おかしなところで日本語の教育実習を思い出すのだが、役者達が数多くの小道具を敵確にハンドリングするさまに授業と教材の感触がふと甦る。

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次に昼ご飯はラーメン屋。鼓介が細々続けた日本語日記のご褒美だ。ロンドンラーメンブームの特集を参考にSoho『一点張』に行く。塩ラーメンを頼んだが美味しかった。ラーメン3杯、餃子2皿、チャーシュー丼で昨日の焼き肉満腹とほぼ同額。ラーメンはご馳走なのだ。

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その後は新太と鼓介が予算7ポンドでプレゼント交換するという夫の企画により2組に別れて行動。鼓介&わたしチームはイルミネーションの街を上っておもちゃのデパートHamleysに入る。イギリスのクリスマスは日本のお正月のようなものだと年々はっきりとわかってきた。イブ前日の今日はまさに大晦日の雰囲気。家族ひとりひとりにプレゼントを贈る伝統からすればここの活気は31日のアメ横である。

鼓介の買い物はyes/noチャートのごとく迷いがなく、新太の好きな物の売り場をレゴ(予算超)、プレイモビル(〃)、バイク(有力)ミニカーセット(最有力)と、7階建てのHamleysを次の目的地へと脇目を振らずにずんずん巡って、ミニ・レーシングカーセットに決め、お金を払うまで20分程度であった。わたしも将来こんなチャートで選ばれたプレゼントをもらうのだろうか。

新太組も早々とプレゼントが見つかったようで先に帰宅すると連絡が入る。せっかくなのでCovent Gardenまで歩いて足休めに大道芸を観て、電飾の大型トナカイとツリーにて2012年クリスマスの街を見納め、ようやく電車に乗ったのは5時半であった。

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昼食 ラーメン『一点張』

夕食 ケールとパルメザンチーズのパスタ、洋梨とグレープフルーツのサラダ

焼き肉YAMI

冬休み一日目。

数日前とうとう英国永住権を取得。パスポートが無事返却され、新しい永住VISAの指紋カードもが届いた。今日はKタウンNew Maldenで永住権のお祝いに焼き肉ランチを食べる。日本語教師コースの同級生くもとくんが「10ポンドで満腹」と教えてくれた『YAMI』にて。カルビ2人前、プルコギ2人前、韓国餃子、鶏スープ定食、海鮮スープ定食を食べて46ポンド(6,500円)。確かに安い。わたしはカルビとスープでお腹がいっぱいになりプルコギは食べ切れなかった。ランチ定食はほとんど5ポンド。これは安い。鼓介に肉という字を教えてあげようと思った。

続いて大型食品店に向かう。満腹のせいで購買欲が鈍化しているがクリスマス前後に食べたい素食と、お正月のための買い出し。大根、蓮根、里芋、にら、蒟蒻、ほうれん草、エノキ、柿、キムチ、そば1kg、薄切り肉(牛・豚)、切り餅1.5kg、海苔、干し昆布、納豆、米20kg、玄米5kg、豚まん、海老まん、調味料。しめて約100ポンド(13,000円)。

昼食 焼き肉『YAMI』

夕食 蓮根チーズ揚げ、ほうれん草とエノキのソテー、ご飯、いんげんの味噌汁

鼓介テレビ出演

今朝、鼓介の小学校がズームイン朝的な番組に『赤鼻のトナカイ』で出演。

補聴器を付けた子がいて、サポート先生が学年中に手話を広めこんなチャンスにまで恵まれた。クリスマスソングの手話は振りが可愛いくて、特にこの明るい曲調にぴったり。ipadで観たという東京のおばあちゃんから感涙の電話がきた。画面右角、寄りの時間が長いのが親友のキャス。歌もうまい。撮影はロンドン動物園。

http://www.itv.com/daybreak/family/christmas-choirs-fairlawn-primary-school/

朝食 レーズンスコーン

日本語教師

9月から通っていた日本語教師の資格を取るコースが終了した。

短期集中でハードだったが教育実習は本当に楽しかった。生徒は日本に憧れている人、家族が日本人と結婚した人など。みんな熱心で、日本語云々より日本がこんなに愛されていて嬉しい、日本人で良かったとしみじみ思った。他の受講生の実習を観ながら日本語の響きが改めて好きになった。丸い音が多くて一音一拍なので、イクラのよう。すらすらすらと聞こえるのは淡々として小川のよう。

英語は簡潔に話すときに本当に便利だ。こどもを叱るとき、英語だと頭の中が箇条書きのような状態になる。叱り終えるとスッキリする。それが日本語で叱ると頭の中が文章なので先に文末、章末を考えておかないと自分でも話を見失う。だから叱った後はこどもに「はい」と言ってもらって、ちゃんと終わらせたいと思う。言葉の違いは面白い。

最終日の今日は卒業証書をもらい、鼓介を友達の家に迎えに行って家に帰って来た。二階でコートを脱いでバタバタと台所に入り、まな板に手を伸ばすと目の前に細長い紙が貼ってある。「well done, you’ve finished your course」と鼓介の字。夫に「これ、結婚したくなるよね」と自慢。「俺とは離婚か〜」今日はこども達の学校が泥棒に入られて休校だったので、夫はわたしをコースに行かせるために新太を連れて出勤してくれた。無事に終わってよかった。

夕食:洋風うどん

キャロル独唱

夜、鼓介とOne Tree Hillの教会にクリスマス・キャロルを聞きに行った。

小学校の保護者と先生の合唱団。6年生の合唱。指揮者とソロの歌い手男女各1名は客員のようだった。

このソロの男性が良かった。人間は所詮、管と袋であるという言葉通りに肺と腹を声帯を操って管楽器のように音を出す人だった。今までオペラやシャンソンの歌手は扇情的で苦手だったが聴き方を間違えていたのかもしれない。人間チューバに感動。でも人を感動させようとしてあのように歌ったわけではないと思う。自分という袋の中側を外に返す作業を、己を知る、磨く、演じるの三段階で成就している。こういうことのために人生があるんだな。スタイルじゃない、コンセプトじゃない。ヒューマニティ。

イギリスでは合唱や演劇は小学生から人気の習い事だ。形から入れる楽しさがあるし、体を動かす、声を出すっていう行動主義なところがいい。自分の器を小さいうちから使い込んでいくことの大事さがよくわかる。いろいろなことがシンプルになってきた最近。わたしも自分の輪郭をなぞって次はどの辺を磨いてみようか考え中。

夕食:スパゲティカルボナーラ、ミンスパイ

愉しい秋の夜

ロンドン歳時記、行事の多い秋から冬。

まず10月最終週は小中学校が一週間秋休み。10月31日のハロウィンと11月4日大たき火・5日の花火祭(ガイ・フォークス・ナイト)。この二大イベントが近過ぎる。アメリカの祭りの割り込みだから仕方ない。小野家も仮装が好きな次男、お菓子が楽しみな長男を連れて地元のハロウィンに行った。仮装して夜の原生林を懐中電灯で歩くという催し。寒いので大人はワインやりんご酒、かぼちゃのスープを買って飲む。夜みんなで外で集まるのはこどもも大人も楽しい。

大たき火の夜は共同農園に集まった。最近マックス&ルビーの家とルーカス&エスミの家が一緒に始めた地域の菜園だ。土地を共有している人たちみんなで、2mくらい木を積み上げてぼうぼうと燃やす。畑の余りものを色々投げ込んでいる。セージやオレガノなどハーブの香りが籠っている火でバーガーやソーセージを焼いて食べる。それからマシュマロを枝の先に刺して焙って食べる。表面の砂糖焦げがおいしい。最後に打ち上げ花火を30発くらい上げておしまい。

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11月中旬は小学校のインター・ナショナル・ビュッフェ。各家庭持ち寄りの料理を並べて食べる全校行事。これも夜。きれいに飾られた体育館に各自マイ皿、マイフォーク持参で集まる愉しい行事。わたしが寿司を届けたのがちょうど校長先生のいただきますの挨拶の最中だったが、こどもが「寿司キター」と群がって一瞬で消えた。わたしが食べておいしかったのはルーマニアの肉キャベツ(ロールキャベツ)スープ。それと、ポーランドのレシピで辛いビーツのスープ。ビーツの季節だ。

11月下旬は鼓介のクリスマス劇。これも2日連続の夜公演。3年生『インドの神様』(鼓介のクラス)、『かいじゅうたちのいるところ』4年生『やさしい巨人』『ドリーム・キャッチャー』5年生『アリスの夢』『オズの魔法使い』6年生『真夏の夜の夢』『シンデレラ』。

そして11月最後を飾る夫の誕生日。鼓介は「お父さんはipad3を欲しがっているよ」と一生懸命だったがプレゼントは靴にした。pointerのスウェード。街で下見、ネットで買って贈ったが大きすぎてサイズ交換中。同サイトで自分用に買ったスニーカーは早々と届いて履いている。当日ネット不調でケーキのレシピがわからず、全くどんぶり勘定で製作。丸型にできあがってよかった。

さあ英国は一気にクリスマス!

誕生日 ラムカレー、ビーツと人参のサラダ、梨のケーキ

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