ヨーカン長屋から

日暮れにたどる小野家の食卓

月別アーカイブ: 12月 2013

呼んでみましょう サザエさん

12月31日
夫が不在票を持って郵便局に行ったら潤子ちゃんからの小包。中身はサザエさんのかるた、漫画。俳句付きの日めくりカレンダーと富士山模様のセロテープ。

サザエさんは最近まさに昔の映像をyoutubeで見ていたところ。何という神通力。夫は絶対前に言ったかどこかに書いたんだろうと言うけれど。

聞き取りやすい日本語のアニメを探していてたどりついた。サザエさんはゆっくり標準語で話す、ひらがなが多い。四季やご当地名物を紹介する日曜日と、日本人の暮らしがわかる火曜日のオープニング。それで生徒に紹介しながら自分の方がのめりこんでしばらくずっと歌っていた。同じような理由で今ドラえもんの最初の2巻がうちにある。これが世界の人と共有できるなんて幸せ。

重いペダルをぐいーぐいーとこいで前進した一年であった。カレンダーを取り替えて、最後の洗濯をして、エマの家の忘年会に行ってきます。雨が多い冬休みで、こどもはクリスマスプレゼントのマインクラフト(ゲーム)やレゴなど、室内遊び。
今年もよろしくお願いします。
photo 1

photo 2

昼食 じゃがいもとミートボールのオーブン焼き、おしるこ

カモねぎクリスマス

12月25日
イブの夜中、興奮している新太が何度も起きてきて寝られないサンタ。巻き添えをくって寝付けなくなった鼓介から最後は「枕元の靴下、リビングルームに持って行っていいよ」と気遣いの言葉をかけられる。それでも朝4時半まで頑張りプレゼントを入れてやっと就寝。

朝ゆっくり起きると全て開封が終わっていたし、クリスマスのご馳走に取りかかるのも午後遅くからとなる。昨年のクリスマスは丸鶏だったが今年はローストダック。カモを丸焼きにするのは初めてだ。コルセットのような胴の骨格といい、筋肉のつきかた、味といい鳥類でもこんなに違うとは。野性味があっておいしい。

昼食 ピザ、グレープフルーツのサラダ
夕食 ローストダック、ローストベジタブル、チーズケーキ

12月26日
飼っていたナナフシのえんどうが昨晩亡くなった。兄弟号泣で庭に埋める。鼓介がさよならの手紙に一言、「Dear Endo V.I.P.」と書いた。感心していたら、夫にそれはR.I.P.安らかに眠れ(Rest In Peace)じゃないのかと言われ母子でビクッとした。
昨日のカモを洋風の雑炊にして食べた。ねぎをたくさん入れた。明日は残りを炒飯にしよう。

聖夜の薬

12月24日
wonderfulという言葉はクリスマスに生まれたのかなと思うこの季節。今年もロンドンで迎える楽しい聖夜。

クリスマスイブの午後はBattersea Arts Centreに “Good Neighbour”を観に行った。

記憶喪失の主人公ジョージに頼まれて、観客が古い劇場の中を探検する参加型の劇。屋根裏の女、思い出管理人、喋る電灯などに出会ってジョージのことを尋ねて回る。やがて古い新聞から1909年12月20日に劇場近くで火事があったこと、その現場にジョージがいたことが判る。火事は実話で隣人を助けて亡くなった実在の人がいたそうだ。

ジョージの過去を探す中で、観客も記憶の奥から何かを引っ張り出して温め、また大切にしまうという作業を数回行う。だんだん心が柔らかくなる。小さい扉の向こうに『笑いは最良の薬』という英語の諺が隠れていた。この一年楽しいことも新しいこともたくさんあったが、ほんとうに心配事が多かった。来年も大事な人たちのぶんまでたくさん笑おう。

クリスマスプレゼント、セット完了。おやすみなさい。

Battersea Arts Centre


photo (24)

昼食 肉まん、焼きおにぎり、ふのりの味噌汁
夕食 ケールとベーコンのスパゲティ、バニラアイス

トトロを探しに

ケント大学今年最後の講義。私の生徒は半数くらいが来年9月に日本に留学する。その留学先の大学が授業の直前に決定したそうで、夢の日本上陸までいよいよカウントダウン開始の学生達。

今日のカリキュラムで決められたトピックは『日本人の心、桜』。期末試験も終わりお互い開放されてカラオケ大会のよう。課題曲はAKB、直太朗、いきものががり、ケツメイシ。口ずさんでいる子も多い。それからひとりずつお気に入りのJ-popをYoutubeで紹介してもらった。

北欧人エーロ君はきれいな顔して、はっぱ隊。彼女と一緒に京都産業大学へ。1名枠の早稲田大学を引き当てたジェイムスは日本のジャズを語る。成績が一番悪いジョーダンはこういう授業だと元気。サンボマスターを紹介。そしてナウシカ漫画の素晴らしさを語る。ジブリファンのブラッドリーが続いて『さんぽ』と山崎まさよし。このふたりは武蔵大学へ行く。ブラッドリーは日本人の感性がとにかく体質に合うようで、趣味が深い。トトロは15回観たという。私も似たようなものを燃料にして生きているから気持ちがわかる。まぶたの裏の景色、もうすぐ見られるね。

夕食 Camberwellのシルクロードで外食。セロリと豚肉の水餃子、セロリと牛肉の焼き餃子、すっぱいヌードルスープ、茄子炒め

おじいちゃんの夕焼け

祖父が亡くなって土曜日から日本にいる。明日ロンドンへ帰る。

10月に祖父は膀胱癌の治療のために練馬で入院した。余命1年くらいかなあということで、同居を拒んでいた祖父がとうとう折れて、退院したらみんなで暮らそうという案に同意してくれた。その直後に母が膵炎にて入院しても、みんなで暮らそう計画のおかげで実家全体は明るかった。入居予定者3名中2名が出塁したが、父はあっという間に妹の家の真裏のマンションに頭金を払い、ふたりのバックホームに賭けた。しかし危篤の知らせからあっけなく他界。夢一歩およばず惜しかった。

父は私が中学生の時に家に来た。だから祖父とは幼少期の思い出はないが、鼓介が誕生してから祖父母との間に家族らしい親密さが育っていった。しかし、他の親戚との付き合いはなかったので父方の縁者にとって私達一家はほとんど宇宙人だ。それで、通夜後の食事ではみんなが祖父の人生のうちよく知っている部分を持ち寄って話をつなげるような風になった。一貫して明るく楽しい人だったらしい。祖父は曾祖父が62歳の時に誕生して新聞に載り日本で初めて粉ミルクで育った赤ちゃんだとか。

一方、もうひとりのランナーである母は通夜前日に退院を果たし葬儀に出席することができた。母はどんな葬儀でもいちばん大きい声を出して泣く。祖父とは大の仲良しだったので、お通夜はもう泣きに泣く。最後は風邪用に着けていたマスクをずらして目をふさぎアイマスクにして泣いていた。お焼香の人も振り返ったとき見たと思う。隣の私は悲しくて可笑しい腹の皮をよじりながら人の一生を想ってよけい三丁目の夕日のような気分になってしまった。

来週は父と母の引越し。さよなら清新町。

春樹とたけし

Oxford Circusで大人のクラスに日本語を教えてきた。

男性達から一人称について質問。「私」「僕」「俺」どれがいいかで悩むらしい。村上春樹は「僕」でたけしは「俺」。この説明でわかってもらえるのが大人のクラス。それでも「俺」はマッチョ、やくざ、ティーンエイジャー等々のイメージが強い。うちの夫はそのどれでもないが「俺」で、友人達もほぼ全員「俺」だと言うと驚きの顔。

夕食:かぶとキャベツのスープ、ケールのパスタ

スイスイ39

先週、夫と誕生日プレゼントのスケートボードを買いに行った。
抱えて歩いているだけでも満足、と言うので本当に持ち歩き専用にしたらいいと少し思ったが、その晩から練習している。週明けは会社にも持参しているし、夜、寒いなあと思うと庭のドアが開いていてガタンガタン跳ねている。

11月30日。
誕生日当日は土曜日だったので友達に集まってもらって手巻き寿司をした。
East Dulwichの魚屋で刺身を買った。鯛は日本のと種類が違うのかもしれない。脂が多い。鯛飯にしてみたい。
お酒を飲みながら延々と巻いては食べた。
終盤、酔っぱらったジェイムズの目になぜか工作用水糊が止まって「子どものころ糊を手のひらに伸ばして剥がすのが好きだった」という話。もちろんその場でぶちゅっとやって、乾いた糊をぴらぴら剥がす実演も。その感じは私も覚えがあるのだが、何かが違うのが気になる。膜に刻まれた手相を電気に漉かして見たりはしなかったと思う。乾かして剥がしたものは何だったか、剥がしてどうしたか。手ではなく他の部位だったか。思い出せない。

夕飯:手巻き寿司(まぐろ、鮭、鯛と野菜)、厚焼き卵、海老の唐辛子炒め、ショートケーキ