ヨーカン長屋の日記

日暮れにたどる小野家の食卓

月別アーカイブ: 5月 2015

家出のリュック

きのうと今日はお芝居を観に行った。

蜷川幸雄の『海辺のカフカ』とM.Haddonの小説『Curious incident of the dog in the night time』の舞台版。
たまたま二日連続だった。
たまたま2つとも15歳の家出の話だった。
日英ともに少年はグレイのパーカー、紺色のリュックで父親から逃げることに決まっているらしい。

『海辺のカフカ』は仲良しのママ友達ダイアナに誘われてチケットを取ったけど、内心どうなんだろうと思いつつ当日のバービカンへ。でも開始後すぐ猫の大塚さんのシーン。本物の猫そっくりに四肢を動かす大塚さんは凄かった。これは相当に良い作品の予感。川村さんの猫も凄かった。後ろ向いて爪をとぐところが絶妙。安心したあとは3時間楽しかった。他の作品もシリーズで劇場化してほしい。後半ダイアナはとなりでジャージャー泣いていた。

『Curious incident of the dog in the night time』の原作はダイアナに勧められて私が始めて完読した英語本。最近、鼓介とダイアナの息子マックスがこの本を読み、息子たちを連れて観に行こうと言うことになってチケットを買った。しかしダイアナは自分は一度観たので今回は旦那に譲って上げようと急に気が変わり、当日はマックス&お父さん、私&鼓介の4人で行くことに。

こちらも舞台演出が凄かった。カフカもそうだがとにかく豪華。アイディアも技術も予算もスタッフも潤沢の中からできた一級ビジュアルアートというかんじで、とにかく楽しい。

そして『Curious incident』の後はFAカップ決勝をスクリーンで観るためにエミレーツスタジアムに移動。夫と新太と合流。ファンサービスの黄色いマフラーをもらい、危なげない90分とたくさんのゴールと優勝の瞬間が観られて一家大満足。

こどもたちのハーフターム休暇ももうすぐ終わり。来週からはいよいよ学年最後の夏学期後半。

IMG_0621

Kafka-02-Left_Nino-Futuhata,-Right_Naohito-Fujiki

JPEG41-750x500

昼食:駅売店のBLTサンドイッチ、劇場のアイスクリーム
夕食:茄子のとチキンのココナツカレー

タマリンド

スーパーの帰りに不思議なおじいさんに呼び止められた。

後日、田中泯のToutubeを見てこのおじいさんの動きに似てると思ったので田中さんと呼ぶ。

田中さんはすごいお酒の匂いだった。ろれつも怪しかったが天気や出身地など害のない話から長話になり、日本食が好きだというのでブリクストンのお好み焼き「おかん」を教えてあげた。紙に書いてくれと頼まれて、(スリの仲間がぶつかりに来るタイミング)とちょっと警戒したが観光地でもないし何も起こらず、財布からいらないレシートを探し出して「ペン持ってますか」と聞いた。田中さんは「ペンはないが・・・」と言いながら、上着のポケットから石を出してきた。新太のこぶしくらいの割と大きな灰色の石。チョーク質で、たしかに字が書けた。レシートにOKANと書いて渡す。切りよく「じゃ」と手をあげると、田中さんは「待て待て」とポケットから小銭を出して新太に1ポンドと1ペニーくれた。喜怒哀楽がはっきりしている新太にしては複雑な顔で喜んでいる。今度こそ「じゃ」で道を渡ろうと思ったら「あんたはこれを」とスーパーの袋から小さい箱を渡された。アジア風?アフリカン?な赤いパッケージにどーんと猫のうんちみたいな絵が書いてある。派手な箱を受け取って別れた。田中さんが家に入るのを見届けてうちに帰った。うちのななめ向かいのアパートだった。

不審者には気をつけなさいと子どもに教えているのにーと気づいて落ち込んだが、それはともかく猫のうんちの正体はタマリンドという豆だった。田中さんに説明された通り、殻を割って中身をしゃぶって、最後に石(果物の固いタネは英語でストーンと言う)は捨てる。中はドライフルーツ。そういわれて見るとこの名前はよく食品ラベルで見る。味もあるある〜って感じ。茶色系ソースの酸味、甘み、粘り。あれから新太と私で少しずつ食べている。昔は田中さんみたいな妖精があの町この町に必ずいた。私も知らない子どもにお菓子をあげてしまうおばあさんになりそう。

IMG_0597

IMG_0598

夕食 海老と鶏肉のマカロニグラタン