ヨーカン長屋の日記

日暮れにたどる小野家の食卓

カテゴリーアーカイブ: フットボール

ダブルバーガー

かえでの葉の一枚いちまいに茜色、ぶどう色が染みだして秋深まるロンドン。
そのスピードがなるべくゆっくりであることを願う人の気も無視してもう足元に栃の実が落ちている。

小野家の初秋はこどもの新学年スタートから。
今年で鼓介は六年生。
のんびりした小学校生活にようやく宿題とテストが加わる、クラスが科目別能力別になるなど、これまでの6年間とはえらい変化。最終学年で新しいことが色々あるのは楽しいからいいと思うし、本人も毎日喋ることが絶えないようで賑やかだ。

そして兄弟サッカーシーズンの開幕。
三年生になった新太も地元チームに入り、とうとう週末がサッカーで塗りつぶされる時代が始まったけど、そのうち一人はすでに親離れしかかっているというのが何とも快感。きのうの日曜日。新太のサッカー観戦の当番が私で、車で20分くらいのところまで連れて行った。新太と私二人だけの移動の時は車内は心地よい沈黙が続いて癒される。

試合後、午後は公園に行った。
夫と先週から岩魚をバーベーキューで食べようと言っていたので、その間に魚屋へ行ったが、日曜で閉まっていたから挽肉を買ってハンバーガーにした。
いつも何となく合い挽きにしてたのを今日は牛100%で作ったら美味しかった。夫と鼓介はダブルバーガーにして食べた。本人が捏ねたのでよいよい。私は空いた手で日本語の生徒さんにもらったルバーブのデザートを作れて満足。

昼食 チャーハン
夕食 BBQ ハンバーガー、焼き野菜、ルバーブとプラムのクランブル

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家出のリュック

きのうと今日はお芝居を観に行った。

蜷川幸雄の『海辺のカフカ』とM.Haddonの小説『Curious incident of the dog in the night time』の舞台版。
たまたま二日連続だった。
たまたま2つとも15歳の家出の話だった。
日英ともに少年はグレイのパーカー、紺色のリュックで父親から逃げることに決まっているらしい。

『海辺のカフカ』は仲良しのママ友達ダイアナに誘われてチケットを取ったけど、内心どうなんだろうと思いつつ当日のバービカンへ。でも開始後すぐ猫の大塚さんのシーン。本物の猫そっくりに四肢を動かす大塚さんは凄かった。これは相当に良い作品の予感。川村さんの猫も凄かった。後ろ向いて爪をとぐところが絶妙。安心したあとは3時間楽しかった。他の作品もシリーズで劇場化してほしい。後半ダイアナはとなりでジャージャー泣いていた。

『Curious incident of the dog in the night time』の原作はダイアナに勧められて私が始めて完読した英語本。最近、鼓介とダイアナの息子マックスがこの本を読み、息子たちを連れて観に行こうと言うことになってチケットを買った。しかしダイアナは自分は一度観たので今回は旦那に譲って上げようと急に気が変わり、当日はマックス&お父さん、私&鼓介の4人で行くことに。

こちらも舞台演出が凄かった。カフカもそうだがとにかく豪華。アイディアも技術も予算もスタッフも潤沢の中からできた一級ビジュアルアートというかんじで、とにかく楽しい。

そして『Curious incident』の後はFAカップ決勝をスクリーンで観るためにエミレーツスタジアムに移動。夫と新太と合流。ファンサービスの黄色いマフラーをもらい、危なげない90分とたくさんのゴールと優勝の瞬間が観られて一家大満足。

こどもたちのハーフターム休暇ももうすぐ終わり。来週からはいよいよ学年最後の夏学期後半。

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昼食:駅売店のBLTサンドイッチ、劇場のアイスクリーム
夕食:茄子のとチキンのココナツカレー

ダディを止められない

ワールドカップが始まった。

イングランド戦はあきらめて夜8時に寝て、夫と鼓介と3人で夜中2時に起きて見た日本初戦。試合後は全員ほぼ無言で解散、朝10時過ぎまで寝た。

鼓介はサッカー観戦が何よりも好きで、テレビ中継でも、自分がチームの試合でベンチに入っているときでも、新太の草サッカーの応援に行ってさえ、開始から終了まで目を離さずにじーーーっと観る。その様子はまるで何かの装置みたいで、彼の人格もあの装置によって形成されているのではないか。開幕戦の翌日「ネイマールってどう思う?」と鼓介に聞いてみたら「シュートは本当にすごいと思うけど、ネイマールは何か大好きになれないところがある」と。わかるわ。「このワールドカップで何にいちばん注目している?」「ゴールラインテクノロジー。審判のリストバンド」そして「優勝するのは?」「日本」。ギリシャ戦がんばれ日本。

今日は父の日。新太から夫へのカードは日の丸と「Happy father’s day! かがわ かがわ! 10 10 10」。そして鼓介が学校で作ってきたカードは(  )に自分の父親に合う言葉を入れる仕様。けっこう国語力が必要。

鳥だ!飛行機だ!いや、スーパー・ダディだ!…中略…(   )も ダディを止められない!

(  )には世界最高のDFかMFが入るべきなのに、鼓介のカードには「(100,000匹のねずみ)も ダディを止められない!」と書かれていた。不思議な一行だけど足が速そうな感じは出てる。

朝食 パン(私と夫)、ベーグル、ラーメン(こども)
昼食 ひじき炒飯、玉ねぎの味噌汁
おやつ りんごのパウンドケーキ

敬意と快感

サッカー少年の鼓介は2020年の五輪代表になりたいとか、アーセナルに入るから中学にはあまり通えないとか考えているらしい。
もう9歳だから本気なら本気でと探ってみるが全然本人と会話が噛み合わない。
夢というより進路について淡々と話すような感じ。おっとりした頑固をちょっと尊敬する。

一方、思いもよらぬ所で日々闘っている新太の努力家ぶり。

先日昔話のパロディを作文する宿題が出た。新太は創作「三匹の羊と極悪きつね」を書き始めたが、threeのrが筆記体で書けない、書けないと泣きながら何十回も題名を書き直す。泣き声はうるさいけど自分しか見えていないので案外楽で、洗濯を干していたらきっかり30分後に「できだーーーづいに、でぎだー!」と達成の声。見たらtheeって書いてあってあれ?と思ったけどそのままに。翌日は挿絵に取りかかり、今度はきつねが思ったように描けないと泣きながら頑張っている。30分後「づいに でぎだぁ」と言うので見たらすごい数のきつねを描いていた。どれ?どのきつねがよく描けたの?と聞いたら一番きつねに遠い絵をピッと指差し笑顔。意外なことって快感。

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夕食 レンズ豆とラム挽肉のシチュー 丸パン

せんべい読書

実家から、みかん箱より大きいダンボールにほぼ煎餅のみギッシリという小包が届いた。今までも日本食の詰め合わせを送ってくれたが、とうとう一番の好物に一本化されたようでとても嬉しい。

本を読みながらベッドで煎餅ぼりぼり。小学校の放課後も、一人暮らしの暇な夜も、漫然としたあの時間を煎餅と読書でうめるのが最高のひとときで、ぼりぼりパラパラやってると今どうしてこの時間がほどんどないのか変な感じ。

読んでいるのは『Emil and the detectives (エミールと探偵たち)』。来月National Theatre に観に行く。3月には『モモ』の劇場作品が公開になるし、今年も児童文学が楽しい。

しばらく自分の昼食と夕食は煎餅だったから、久しぶりのきちんとしたご飯がおいしかった。
夫から鼓介にプレゼント。はじめての背番号入り。
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夕食 鮭フライ、グリーンサラダ、大根と蒟蒻の煮物、根菜の洋風スープ

500g、72枚

ボン・ファイアー(大たき火)、ガイ・ホークスナイトの花火が終わって、鼓介のサッカーシーズン、冬が到来。

イギリスの少年サッカーはプレミアリーグと同じく毎年9月に始まって5月末に終わる。
地域のリーグに参加しているような真剣なチームでも練習は週1回、多いところで週2回くらい。

本日午前中は、鼓介の試合と新太を夫に任せて家でテストの採点。
昼に3人が帰宅。鼓介は2得点して興奮気味。お昼を食べてクリスタルパレス公園へ出かけ、小牧場の動物や小鳥を見る。昨日の夜、鉄コン筋クリートとすきやばし二郎のドキュメンタリーを続けて観た。山羊も羊も横に目がついていて松本大洋の漫画みたい。

4時過ぎに家に帰ってアーセナルVSマンUをラジオで聴きながら全員で餃子を作る。タネと皮の分量がぴったり終わりとても嬉しいので記録しておく。豚ひき肉500g、キャベツとチャイブ両手一杯、皮72枚。焼くのはいつも夫なのだが、一回ごとに水の量や火加減を工夫していて最後の回は一番おいしかった。量も本当にちょうどよかった。

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昼食 ホットドッグ、蒸しブロッコリー、コーンとジャガイモのポタージュ
夕食 餃子、ごはん、アボカドサラダ、冷や奴、もやしの味噌汁

冷やし中華

Finchleyのまどかちゃんの引越しを手伝うつもりで覗きに行った。

ちょうどオリンピック灯火のリレーがまどかちゃんの町を通っていった。

地域を代表して走るランナーのリストに草食顔のスポーツ少年12歳が載っていたので楽しみにしていたが、わたしたちが見たのは別の女性だった。駅伝のように数キロおきに次の走者が立っているのかと思ったら、全員を乗せたバスが先頭を走って、交代ポイントで次の走者が降りてくるようだ。それにしてもあまりの暑さで炎がゆるい。コンクリートの熱を感じたのはいつぶりか。

日本人エリアならではのおいしい和食弁当をご馳走になる。結局何も手伝わずに遊んで帰って来てしまった。

帰宅後は女子サッカーをTV観戦。夫は早目に家に戻っていた。明日のスペイン戦はもちろん、オリンピック中は積極的に在宅勤務するらしい。職場の周りの交通事情が落ち着かないのだと。試合後の興奮で庭に出るこども達。がんばれ日本。

昼食 和食弁当(わたし、こども)、クスクスとラタトゥユ(夫)

夕食 クスクスとラタトゥユ(こども)、冷やし中華、干しえびのサラダ(おとな)

前から試そうと思っていたスパゲティを中華麺に変える裏技(重曹)実践。これは便利で美味しい。7mm以下でまた作ろう。

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知らない間にカレンダーに太ペンで書かれたバースデー。

日曜日に森キャンプから帰り、洗濯回しながらユーロの決勝観戦。4歳新太「ぴるろー、イエイ」7歳鼓介「起点はシャビ」、飽きたら上半身脱いでバロテリごっこ。全員で表彰式まで身納めた。

そんな祭の後の誕生日だが朝から晩餐までしっかり祝ってもらった。兄弟から誕生カードをもらって笑い、仕事後の夫が湯気まみれで鶏を焼く姿に笑い。前週に小野家男子への鬱積、嫁(母)への思いやり不足を泣きついた直後でもあり、おお、みんながわたしを喜ばせようとしている、とわかって満悦の一日。プレゼントはGOLAのスニーカー。

夜はDVDで『ベスト・エキゾチック・マリーゴールド・ホテル』鑑賞。ここ数年ラブコメが好きなのだが、これもまた良くて大笑い。定年後イギリスを飛び出しインドで晩年をスタートする話に、30代でロンドンに来た自分が共感してて笑える。主人公のボストンバッグはわたしとお揃い。よし60才まで持っておこ。一生冒険がいいなあ。ずっと身軽にムーブオン。

夕食 チキンソテー、リーフレタスサラダ、苺のクリームケーキ

お母さんのチャンピオンズリーグ

先週のプレミアリーグ最終戦に続くフットボールウィークエンド。CL決勝チェルシーVSバイエルン・ミュンヘン。

イギリスのこどもは早く寝かされる。鼓介の友達でも7:45キックオフは完全アウトということで、試合の民放放映を隠している家もあった。お母さんがミュンヘン出身のルーカスはテレビが不調でITVが映らないそうだ。小野家はみんなの分までライブ観戦。こどもを寝かせたい時ほど試合は延長になると確信していたのではじめの80分で台所の方付け、仕込みを終えてからソファーに着いて延長、PK、表彰式までを見る。何となくミュンヘンを応援していたし、PKを外したシュバインシュタイガー、鬼みたいな顔と思っていたけど今日はすごく童顔に見えた。

鼓介が久しぶりに日記を書いたので「チャンピオンズリーグのこと書いたら?忘れないように」と言ったら「あれは思い出したくない」と返された。鼓介も何となくミュンヘンを応援していたのだ。

これからユーロ。オリンピックはサッカー男女で計4試合スタジアムに行く。

昼食 パンチェッタとロメインレタスのサンドイッチ

夕食 白菜と肉団子の甘酢炒め、ご飯

宮市初ゴール

ボルトンVSミルウォール観戦。宮市イギリス初ゴールを見た!

ミルウォールはロンドン南東の中堅クラブで、我が家から最も近い地元チームのひとつ。車のスクラップ工場なんかに囲まれ殺伐とした界隈、冷たい空気になじまないビールの臭いがどんどん濃くなってくるスタジアム周辺。試合中の野次罵声は、このおじさん怒鳴らずに話ができるのかなあと心配になる人ばかり。そうかといって白眼視する気にもなれないのは客席がピッチに近いから。選手が自分と同じサイズなのだ。週末のサッカーをいちばんの楽しみに生きている人が一週間働いて働いた末にあの距離で試合を観たら血も吹き上がるであろう。大衆スポーツは熱狂するためにあるのだな。そんなおっちゃん、あんちゃんに囲まれながら、声は出さずに宮市を応援。開始直後の華麗な走り込みから素晴らしいゴール。鼓介、夫、わたし、一斉に顔を合わせ熱い目を見開いて無言で歓喜。その後もボールを持つたびたった19歳の宮市に浴びせられる大ブーイング。がんばれと口元にきゅっと微笑み上る90分であった。

昼食 ベーコンポテトスバゲッティ

夕食 鶏ニラスープ、しらすご飯

ハットトリック

日曜日。鼓介が試合でハットトリック。今日からサッカー友達のフィンが正式にチームに加わった。意志が強くて遠くまで見えるきれいな目、ボールを呼ぶ腕をすっと高く伸ばして走る姿、膝の角度まで端正。FWキャスに強力ライバル。観戦の楽しみが増えた。

チームメイト

お好み焼きオフの日曜日。

鼓介の試合を観に行く。1勝1敗、緊迫した攻防が続く良いマッチだった。9月からリーグ戦を始めて勝率6割5分くらい。個性豊かなこのチームでプレーするのはとても楽しいだろうと思う。

キャプテンはタフガイ、コロイ。無尽の集中力とスタミナで獅子奮迅する。彼のロングシュートはDulwich Hamletの名物だ。ストライカーはキャス。学校のクラスメイトでもある。やたらとハイポジションで腕を振りながら股関節をいっぱいに広げて走る姿は三段跳びのよう。走っていない時は半開きの上体が後ろか横に傾いて要するにいつも変な姿勢なのだが、何かがすごい、俊足と執念の得点王。鼓介はポジショニングとパスが上手で頼りにされるプレーヤー。今日は先週から加わった左利きのアライジャが2試合目にして初得点。そういうことを人一倍嬉しがるのも鼓介である。監督ルウは地元高校出身の兄貴。こども達はその入れ墨の両腕にぶら下がらんばかりに懐いており、アシスタントのルイスは地味面白い。ハーフタイムに彼がみかんを配る場面がわたしは好きだ。

爽やかな試合の後にキャスと公園に行ってもうひとサッカー。キャスが全然パスをせず、シュートを打たせてもらえないと鼓介が大泣きして午後の空気台無し。献身プレーの反動か。ゴール前でパスなんかするわけないキャスは数ヶ月だったら呆れてプイと離れていってしまったところだが、今日は鼓介の機嫌が直るようにしかたなく付き合ってくれる。友情のゆくえを想うOne Tree Hillの夕空に、赤子の爪のような薄い月。

昼食

クリームチーズとスモークサーモンのサンドイッチ、じゃがいものローズマリーソテー

夕食

すし太郎 錦糸卵と鯖の薫製乗せ、春菊のおひたし、大根の味噌汁