ヨーカン長屋から

日暮れにたどる小野家の食卓

1928ベルリン

年末に飛行機の中で「グレートギャツビー」を観た。ニューヨークの成金とアールデコの組み合わせは最高にちんちくりんで、ギャツビーのイタさが生々しかった。ディカプリオの演技は絶妙で、映画のタイトルは「ディカプリオのギャツビー」の方がいいと思った。あの時代、あの世界には生きたくないと実感。

そして先週鼓介とNational Theatre へ「Emil and detectives」を観に行った。ドイツのアールデコ、1920年代ベルリンに痺れた。黒いステージ。直線と直角、闇とストロボ。そして生ジャズ。20世紀前半のドイツってこういうことか。カリガリ博士はこんな街から生まれたんだな。単館映画を観てた頃、街の持つ圧力を全く想像できていなかった。こっちの世界にはぜひ一度行ってみたい。

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鼓介が小学校で第一次世界大戦について勉強しはじめた。私もドイツの歴史が気になってきた。

春の川

立春という名にぴったりの日曜日。夫の思いつきでSeven Sistersへ行く。川で車を降りて海まで歩く。こどもは自転車。地上にいるのに航空写真のようにみごとな「ひ」曲線。巨人になった気がする。川面は地面と同じ高さでつるりとしている。透ける青草や川底の石。春から別の生き物に生まれ変われるので選びなさい、と言われたら、かえると言おうかとんぼにしようか。
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昼食 おかかのおにぎり
おやつ スコーン、紅茶
夕食 水炊き鍋、ごはん、京漬物、納豆

宝石箱から黒ダイヤ

仙台のお義母さんが宅急便を送ってくれた。
中身はグリコ・森永・ロッテに不二家とお菓子の特大ジュエル・ボックスで、鼓介と新太は子犬のように喜んでいる。底の方に私と夫のお煎餅とヨーカンもたくさん。うちの実家と立て続けでイギリスの冬が一気にカラフル、嬉しい我が家。

ダンボール開封からしばらくしてこどもの大好物、黒豆を発見。ご飯に黒豆のっけて幸せの鼓介が「なんで日本のレストランに黒豆がないんだろ」と。たしかに見たことない。

こどものお菓子はどれだけ与えていいのか未だによくわからない。イギリスの小学生は一人で外出できないから、おこずかいでお菓子を買う機会がない。お母さんに内緒だよ、と言ってお菓子をくれそうな祖父母、親類も近くにいない。だからうちは普段のおやつが地味なのだが、少年時代も中盤。お菓子文化を楽しんでもらいたいモードに私も変わってきて、今日はお風呂の時間まで宅急便から食べ放題にした。
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夕飯 肉豆腐、黒豆、京漬物、ご飯、セロリのスープ

せんべい読書

実家から、みかん箱より大きいダンボールにほぼ煎餅のみギッシリという小包が届いた。今までも日本食の詰め合わせを送ってくれたが、とうとう一番の好物に一本化されたようでとても嬉しい。

本を読みながらベッドで煎餅ぼりぼり。小学校の放課後も、一人暮らしの暇な夜も、漫然としたあの時間を煎餅と読書でうめるのが最高のひとときで、ぼりぼりパラパラやってると今どうしてこの時間がほどんどないのか変な感じ。

読んでいるのは『Emil and the detectives (エミールと探偵たち)』。来月National Theatre に観に行く。3月には『モモ』の劇場作品が公開になるし、今年も児童文学が楽しい。

しばらく自分の昼食と夕食は煎餅だったから、久しぶりのきちんとしたご飯がおいしかった。
夫から鼓介にプレゼント。はじめての背番号入り。
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夕食 鮭フライ、グリーンサラダ、大根と蒟蒻の煮物、根菜の洋風スープ

ビーフシチュー

夫が深夜食堂2のCDを手に入れてきた。ビーフシチューを食べながら聴く。

「ビーフシチューってのはね、主役はトマトなんだ。肉は脇役さ」とうちのマスター。いつか家の前に提灯出して、日本好きの友達を呼ぼう。

先日うちにきた夫の同僚、ポーランド人のウーカシュ君が日本旅行から戻ってきたそうだ。ビルの間からチラッとチラッと見えるガンダム!だそうだ。それは嬉しいよね。ウーカシュ君は旅の間にも写真をどんどんアップロードしていた。カツ丼やうな重や日本の街。その中の一枚に夫が「これは渋谷東急プラザのロシア料理屋から撮った写真?」とコメントして見事正解したというのがおもしろかった。

夕食:イギリスパン、ビーフシチュー

呼んでみましょう サザエさん

12月31日
夫が不在票を持って郵便局に行ったら潤子ちゃんからの小包。中身はサザエさんのかるた、漫画。俳句付きの日めくりカレンダーと富士山模様のセロテープ。

サザエさんは最近まさに昔の映像をyoutubeで見ていたところ。何という神通力。夫は絶対前に言ったかどこかに書いたんだろうと言うけれど。

聞き取りやすい日本語のアニメを探していてたどりついた。サザエさんはゆっくり標準語で話す、ひらがなが多い。四季やご当地名物を紹介する日曜日と、日本人の暮らしがわかる火曜日のオープニング。それで生徒に紹介しながら自分の方がのめりこんでしばらくずっと歌っていた。同じような理由で今ドラえもんの最初の2巻がうちにある。これが世界の人と共有できるなんて幸せ。

重いペダルをぐいーぐいーとこいで前進した一年であった。カレンダーを取り替えて、最後の洗濯をして、エマの家の忘年会に行ってきます。雨が多い冬休みで、こどもはクリスマスプレゼントのマインクラフト(ゲーム)やレゴなど、室内遊び。
今年もよろしくお願いします。
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昼食 じゃがいもとミートボールのオーブン焼き、おしるこ

カモねぎクリスマス

12月25日
イブの夜中、興奮している新太が何度も起きてきて寝られないサンタ。巻き添えをくって寝付けなくなった鼓介から最後は「枕元の靴下、リビングルームに持って行っていいよ」と気遣いの言葉をかけられる。それでも朝4時半まで頑張りプレゼントを入れてやっと就寝。

朝ゆっくり起きると全て開封が終わっていたし、クリスマスのご馳走に取りかかるのも午後遅くからとなる。昨年のクリスマスは丸鶏だったが今年はローストダック。カモを丸焼きにするのは初めてだ。コルセットのような胴の骨格といい、筋肉のつきかた、味といい鳥類でもこんなに違うとは。野性味があっておいしい。

昼食 ピザ、グレープフルーツのサラダ
夕食 ローストダック、ローストベジタブル、チーズケーキ

12月26日
飼っていたナナフシのえんどうが昨晩亡くなった。兄弟号泣で庭に埋める。鼓介がさよならの手紙に一言、「Dear Endo V.I.P.」と書いた。感心していたら、夫にそれはR.I.P.安らかに眠れ(Rest In Peace)じゃないのかと言われ母子でビクッとした。
昨日のカモを洋風の雑炊にして食べた。ねぎをたくさん入れた。明日は残りを炒飯にしよう。

聖夜の薬

12月24日
wonderfulという言葉はクリスマスに生まれたのかなと思うこの季節。今年もロンドンで迎える楽しい聖夜。

クリスマスイブの午後はBattersea Arts Centreに “Good Neighbour”を観に行った。

記憶喪失の主人公ジョージに頼まれて、観客が古い劇場の中を探検する参加型の劇。屋根裏の女、思い出管理人、喋る電灯などに出会ってジョージのことを尋ねて回る。やがて古い新聞から1909年12月20日に劇場近くで火事があったこと、その現場にジョージがいたことが判る。火事は実話で隣人を助けて亡くなった実在の人がいたそうだ。

ジョージの過去を探す中で、観客も記憶の奥から何かを引っ張り出して温め、また大切にしまうという作業を数回行う。だんだん心が柔らかくなる。小さい扉の向こうに『笑いは最良の薬』という英語の諺が隠れていた。この一年楽しいことも新しいこともたくさんあったが、ほんとうに心配事が多かった。来年も大事な人たちのぶんまでたくさん笑おう。

クリスマスプレゼント、セット完了。おやすみなさい。

Battersea Arts Centre


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昼食 肉まん、焼きおにぎり、ふのりの味噌汁
夕食 ケールとベーコンのスパゲティ、バニラアイス

トトロを探しに

ケント大学今年最後の講義。私の生徒は半数くらいが来年9月に日本に留学する。その留学先の大学が授業の直前に決定したそうで、夢の日本上陸までいよいよカウントダウン開始の学生達。

今日のカリキュラムで決められたトピックは『日本人の心、桜』。期末試験も終わりお互い開放されてカラオケ大会のよう。課題曲はAKB、直太朗、いきものががり、ケツメイシ。口ずさんでいる子も多い。それからひとりずつお気に入りのJ-popをYoutubeで紹介してもらった。

北欧人エーロ君はきれいな顔して、はっぱ隊。彼女と一緒に京都産業大学へ。1名枠の早稲田大学を引き当てたジェイムスは日本のジャズを語る。成績が一番悪いジョーダンはこういう授業だと元気。サンボマスターを紹介。そしてナウシカ漫画の素晴らしさを語る。ジブリファンのブラッドリーが続いて『さんぽ』と山崎まさよし。このふたりは武蔵大学へ行く。ブラッドリーは日本人の感性がとにかく体質に合うようで、趣味が深い。トトロは15回観たという。私も似たようなものを燃料にして生きているから気持ちがわかる。まぶたの裏の景色、もうすぐ見られるね。

夕食 Camberwellのシルクロードで外食。セロリと豚肉の水餃子、セロリと牛肉の焼き餃子、すっぱいヌードルスープ、茄子炒め

おじいちゃんの夕焼け

祖父が亡くなって土曜日から日本にいる。明日ロンドンへ帰る。

10月に祖父は膀胱癌の治療のために練馬で入院した。余命1年くらいかなあということで、同居を拒んでいた祖父がとうとう折れて、退院したらみんなで暮らそうという案に同意してくれた。その直後に母が膵炎にて入院しても、みんなで暮らそう計画のおかげで実家全体は明るかった。入居予定者3名中2名が出塁したが、父はあっという間に妹の家の真裏のマンションに頭金を払い、ふたりのバックホームに賭けた。しかし危篤の知らせからあっけなく他界。夢一歩およばず惜しかった。

父は私が中学生の時に家に来た。だから祖父とは幼少期の思い出はないが、鼓介が誕生してから祖父母との間に家族らしい親密さが育っていった。しかし、他の親戚との付き合いはなかったので父方の縁者にとって私達一家はほとんど宇宙人だ。それで、通夜後の食事ではみんなが祖父の人生のうちよく知っている部分を持ち寄って話をつなげるような風になった。一貫して明るく楽しい人だったらしい。祖父は曾祖父が62歳の時に誕生して新聞に載り日本で初めて粉ミルクで育った赤ちゃんだとか。

一方、もうひとりのランナーである母は通夜前日に退院を果たし葬儀に出席することができた。母はどんな葬儀でもいちばん大きい声を出して泣く。祖父とは大の仲良しだったので、お通夜はもう泣きに泣く。最後は風邪用に着けていたマスクをずらして目をふさぎアイマスクにして泣いていた。お焼香の人も振り返ったとき見たと思う。隣の私は悲しくて可笑しい腹の皮をよじりながら人の一生を想ってよけい三丁目の夕日のような気分になってしまった。

来週は父と母の引越し。さよなら清新町。

春樹とたけし

Oxford Circusで大人のクラスに日本語を教えてきた。

男性達から一人称について質問。「私」「僕」「俺」どれがいいかで悩むらしい。村上春樹は「僕」でたけしは「俺」。この説明でわかってもらえるのが大人のクラス。それでも「俺」はマッチョ、やくざ、ティーンエイジャー等々のイメージが強い。うちの夫はそのどれでもないが「俺」で、友人達もほぼ全員「俺」だと言うと驚きの顔。

夕食:かぶとキャベツのスープ、ケールのパスタ

スイスイ39

先週、夫と誕生日プレゼントのスケートボードを買いに行った。
抱えて歩いているだけでも満足、と言うので本当に持ち歩き専用にしたらいいと少し思ったが、その晩から練習している。週明けは会社にも持参しているし、夜、寒いなあと思うと庭のドアが開いていてガタンガタン跳ねている。

11月30日。
誕生日当日は土曜日だったので友達に集まってもらって手巻き寿司をした。
East Dulwichの魚屋で刺身を買った。鯛は日本のと種類が違うのかもしれない。脂が多い。鯛飯にしてみたい。
お酒を飲みながら延々と巻いては食べた。
終盤、酔っぱらったジェイムズの目になぜか工作用水糊が止まって「子どものころ糊を手のひらに伸ばして剥がすのが好きだった」という話。もちろんその場でぶちゅっとやって、乾いた糊をぴらぴら剥がす実演も。その感じは私も覚えがあるのだが、何かが違うのが気になる。膜に刻まれた手相を電気に漉かして見たりはしなかったと思う。乾かして剥がしたものは何だったか、剥がしてどうしたか。手ではなく他の部位だったか。思い出せない。

夕飯:手巻き寿司(まぐろ、鮭、鯛と野菜)、厚焼き卵、海老の唐辛子炒め、ショートケーキ

ころんだコロッケ

電車の中に財布を置いてきたり、家にネズミが出たりした一週間を経て週末。

土曜日の朝は新太がサッカーに出かけてから一瞬家が静かになる。こども部屋でサッカー中継をしている鼓介の声だけが聞こえる。選手カードを並べて想像の試合。選手交代の時以外はカードは動かさずにフォーメーションの前で腕を組んで熱血中継。おもしろくてこっそり録音したら見つかってその場で消去するように言われた。

午後は日本語の宿題、かるた製作。新太はライオン。
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鼓介はふたつとも食べ物。
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作っている間もずっと何か食べていたし、食べるものがなくなってからは冷凍庫の奥からタッパーに入った凍ったあんこを見つけてスプーンで食べていた。

日曜は鼓介の試合の後、サウスバンクへ向かい、テムズ川沿いを歩いてテート・モダンで来年のカレンダーを買った。家へ帰ってから全員でコロッケを作った。鼓介は6個食べた。

夕食 コロッケ、豆腐とオクラのサラダ、納豆、ごはん、かぶの味噌汁

古今東西 馬場、早稲田

お母さんが暴食による膵炎で入院している。これが食べたい、と思えば朝の9時でも昼の2時でも「今日はもんじゃの気分!」と妹に電話をかけている。そして妹に断られたらタクシーに乗ってひとりで行ってしまうらしい。おじいちゃんの競馬もそうだが、せっかちな江戸っ子爺婆を乗せて走るタクシー、車屋さんと呼ぶ方が合っている。

今日はイギリスから日本の大学へ留学したい人向けの説明会イベントがあった。カルチャートークなどもあったので行ってみたら生徒に遭遇。私の大学には3年生の一年間を海外留学に充てるプログラムがあって、彼は早稲田大学に行きたいそうだ。おじいちゃんの地元、お父さんとお母さんが出会ったヘレン・ケラー学院のあるあの街に、クラスで一番かっこいい北欧の男の子が降り立つのか。

イベントから帰って夜7時、新太が「えんどうが卵を産んだ」と興奮している。今日もらったナナフシに命名したのだそうだ。えんどう豆のえんどう。
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昼食 ベーコンとトマトのパスタ
夕食 ハンバーグ、海老フライ、にんじんサラダ、豆腐の味噌汁

500g、72枚

ボン・ファイアー(大たき火)、ガイ・ホークスナイトの花火が終わって、鼓介のサッカーシーズン、冬が到来。

イギリスの少年サッカーはプレミアリーグと同じく毎年9月に始まって5月末に終わる。
地域のリーグに参加しているような真剣なチームでも練習は週1回、多いところで週2回くらい。

本日午前中は、鼓介の試合と新太を夫に任せて家でテストの採点。
昼に3人が帰宅。鼓介は2得点して興奮気味。お昼を食べてクリスタルパレス公園へ出かけ、小牧場の動物や小鳥を見る。昨日の夜、鉄コン筋クリートとすきやばし二郎のドキュメンタリーを続けて観た。山羊も羊も横に目がついていて松本大洋の漫画みたい。

4時過ぎに家に帰ってアーセナルVSマンUをラジオで聴きながら全員で餃子を作る。タネと皮の分量がぴったり終わりとても嬉しいので記録しておく。豚ひき肉500g、キャベツとチャイブ両手一杯、皮72枚。焼くのはいつも夫なのだが、一回ごとに水の量や火加減を工夫していて最後の回は一番おいしかった。量も本当にちょうどよかった。

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昼食 ホットドッグ、蒸しブロッコリー、コーンとジャガイモのポタージュ
夕食 餃子、ごはん、アボカドサラダ、冷や奴、もやしの味噌汁

まだまだ

今週の先生活動は初めてのテスト体験。
読解、筆記、リスニングの試験を作り現在は採点中。字は人を表すの言葉ではないが学生肉筆による回答はとても楽しい。来年日本に短期留学する生徒も何人かいて、一生懸命勉強している。

さてテスト準備で忙しかったここしばらく、実は東京の実家も母と祖父が続けざまの腫瘍騒ぎで入院、検査、家族会議など緊迫している。週末に鼓介と新太を市民プールに連れて行ったとき母から電話があり、プールサイドで長い国際電話をした。医師の様子から祖父が余命1ヶ月ほどという話。前半はどのような最期にしてあげたらいいか、葬儀には帰って来られるのかなど相談に精一杯娘らしく応えていたが、やっぱり途中から父母、祖父全員が早とちりしている気がしてきた。何と言うか、不自由になってからが高齢化社会の本番と言うか、人間はけっこう丈夫だと思う。86歳で毎日株と為替を確認し毎週欠かさず田無に馬券を買いにいく祖父。71歳で医師に食事療法を言い渡されて落胆、トンカツを夢見ながら白身魚の刺身で我慢する母。生命力はまだまだあるような。

そのあたりを確かめようと思って日曜の朝、もういちど実家に電話をかけたら誰も出ない。前日に医師と会って検査結果を聞いたはずなので私も気になる。妹に電話をすると電話の向こうが騒がしい。妹の声がうわずって、かけ直すと言うのを手短にと押し通したら「今、9回の表、田中が投げてるから」と言われてその瞬間、楽天の優勝以上に祖父の余命騒ぎ撤回を確信した。追って翌日、母からおじいちゃんは当分大丈夫との報告。アンチ巨人の父も看病疲れを忘れてスカッとしたかなとマー君に感謝した。

夕食 ラムとパースニップのトマト煮込み、パン
おやつ スコーン

ハロウィーンの市民

冬時間になったイギリスは、ここから暦の催しが目白押しで年末まで座ってお茶を飲む暇がない。

毎年その幕開けがハロウィーン。
仮装してDevonshire Road の原生林にコウモリハンティングに行き、行き帰りに近所の家を回ってお菓子をもらう。

ハロウィーンはアメリカの習慣なのでイギリスにここまで根付いたのはほんの最近のことらしい。素晴らしいのは一般住民の方々で、本当に怖い魔女の格好でこども達を待機してくれたり、玄関でスモークを焚いたり怖い音を流したり、路駐中の車からゾンビが飛び出したり、オープンカーに棺桶を乗せて町内を走ったりしてくれる。普通のお婆さんが出てきた時に一瞬「本物・・・」という空気が流れておもしろかった。

私は毎年のことながら潤子ちゃんにもらった黒のドレスでアイラインをぎっちり引いて行ったのだが、大人もこどもも今年は目立ってガイコツ、ゾンビや血しぶきを浴びた白衣など醜い路線が多かった。顔を作るのもみんな上手だ。鼓介の同級生の女の子(海賊の亡霊)は、友達に名前を呼ばれてメイク失敗と落ち込んでいた。私と夫はサダ子と落ち武者でいくべきだったと思う。事実イギリス人の子にも「日本の幽霊になったよ」と先を越されている。来年こそは番町皿屋敷にならなければ。ダンボールで井戸も作らねば。

昼食 卵サンドイッチ、にんじんスティック
夕食 照り焼きチキン、ごはん、じゃがいもと人参の味噌汁

ブッダの時間

今日は小学校が一日かけて世界の宗教を学ぶ日だった。

文化に触れるインターナショナルデーとか、言語を学ぶランゲージデーはおなじみだが、宗教デーは初めてで新鮮。難しい話は敷居を下げるに限る。とてもいい考え。

学年ごとにテーマとなる宗教があって、それをいろんな角度から一日かけて体験。
新太のクラスはキリスト教。粘土で最後の晩餐を作ったそうだ。
高学年はイスラム教、ヒンズー教など。
鼓介達4年生は仏教。みんなでお坊さんの格好。お香を焚いてお経を唱え、輪廻転生の話を聞き、仏さまのスマイルをまねて、ヨガ。放課後の男子は生まれ変わったら何になりたいかの話題で持ち切りであった。

http://www.fairlawn.lewisham.sch.uk/category/year-4/

夕食 豆とオクラのチキンカレー

秋の実

カンタベリー行きの電車は景色が素晴らしい。通勤二週目。りんご林の実が一斉に赤くなってみごとな鈴なり。

さて、先週末はグリニッジ公園に出かけた。秋のグリニッジは紅葉がきれいで大好き。

いつもと違う入り口から入ったら、そこら中に大きな栗の木があることに気がついた。見ているそばから緑の棘球がぼとぼ落ちてくる。房を足で割って栗をえぐり出すのも楽しくて、何となく拾い始めたら最後、夫とこどもは何時間でも拾っている。

わたしは陽のあたるベンチをジョギング休憩中のおじさんとシェアする。おじさんが「良い兄弟だね」と何度も何度も言うので「兄弟はいますか」と聞いたら、弟はアーミーに入って世界中に行っていると教えてくれた。「子供は3人、上の娘はいい子だが、男二人はとても悪い。もう、どうしようもないんだな。2月から会っていない。奴らの母親ともね。誕生カードも送っていないよ」トレインスポッティングのような若者だろうか。家族を愛するイギリス人から直接こういう話を聞くのは初めてだ。おじさんはまだ50代前半に見えるがもう働かなくていいだけのお金があるので、年が明けたらギリシャかカナリア諸島かどこかに移住してバーでもやりたいそうだ。移住は楽しいですよ、と言ったら「それは家族がいるからだよ」と。そうしているうちに最愛の娘から電話があり「やあベイビー元気か?」などと話し込んで電話を切るとまたジョギングに戻って行った。後日イギリス人の友達に栗の木の話をしたら、グリニッジの栗拾いは有名で、中国人が縄張りを決めて穫るのは名物だと言われた。確かに家族連れの中国人がスーパーの袋いっぱいに拾っていた。木の上に登って枝を揺すって穫るのだそうだ。

栗の木はとても大きい。てっぺんは空の真ん中。佐藤さとるの絵本みたいに木の上に家をつくったらきっと眺めがいいだろう。こども達がこの木のように育ちますように。わたしも木の上にいるような気持ちで生きたい秋爽やか。

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夕飯:水炊き、栗

カンタベリー物語

今週から週3日ほどカンタベリーのケント大学で日本語を教えることになった。

大聖堂。大司教。運河、修道士、巡礼地。ドラクエのようだ。片道2時間かけて通うのだが、そんな町なので全く苦にならず、毎日、お伊勢参りか日光江戸村に行くような気持ちで通勤している。

大学は緑いっぱいの、絵のようなキャンパスだ。わたしの生徒は2年生。選択科目で日本語をとっている。みんな若くて純粋で日本が大好き。わたしもこの前まであっち側にいたはずなのに。大学生達を見ていると、あの時期何を学んだらいいか全然分かっていなかったことが苦いような悔しいような。でも大学という場に帰って来られたことが想像以上に嬉しくてわくわくしている。こちら側からの大学生活、しっかり楽しもう。

昼食 焼うどん、焼き魚、大根の煮物
夕食 おでん、キムチ、玄米ご飯

時をかけるリンダ

ピエール瀧があまちゃんのアキを「細田守の主人公みたい」と言っていたことから『時をかける少女』を見た。素晴らしかった。化学室のガラスと自然光がきれいだった。

最近、浮世絵が3Gになったり明治時代の写真が動き出したり、夢(ワープ)が少しだけ叶う時代になった。この映画を見て、本当に飛ぶときは時空も体験するんだなーと楽しみが増えた。次は時空で聞こえる音楽を探したい。

DVDを見ている途中にびっくりしたのが、深夜なのに玄関をノックされたこと。隣のリンダだった。

リンダは50歳くらいの女性。一人暮らしのおとなしい人で人の出入りもほとんどない静かな家。リンダは恐がりで、大柄な体だがいつも小さな声で遠慮がちに話す。この時も「お楽しみのところごめんなさいね・・でも、」と細い声でうろたえているので鼠でも出たのかと思ったら「向かいが火事なの・・・」と言われて驚いた。アパートのごみ捨て場から出火、どんどん広がって隣の家のガレージに燃え移りそう。慌てて夫がガレージの家に知らせると、おばさんが漫画のように小さなバケツに水を張って出てきた。火を見て呆然、消防車を待つ。火元のアパートにも「火事だ!外へ出て!」と夫が大きな声で呼びかけたが、こちらはたかをくくっているのか無関心なのか、誰も出て来なかった。やがて消防車が来て、硬派な消防隊員が黙々と火を消すのを見て、リンダと家に入った。消防隊は説明も事情聴取もなく引き上げて行った。

こんな事件を間に挟み、『時をかける少女』は興奮の名作となった。

夕食:パッタイ、セロリのスティック

フランス 金色のエウローペ

8月28日(月)
家族だけの静かなホリデーにもどる。毎日、午前中プールで泳いで午後海に行くの繰り返し。

天気のいい日が続いてようやく、大西洋の楽しさが体に入ってきた。
地中海ほど暑くないし魚も見えないので慣れるのに時間がかかったのだ。
慣れたらこのおだやかさと爽やかさが浸みるように気持ちよい。

鼓介と新太は仲良くなった近くの子と遊んだり、夫と卓球したり。

ご飯は魚市場とスーパーUで材料を買って作る。やっぱり魚介が美味しい。
特にムール貝は今まで食べたムール貝で一番美味しい。
殻は小振りだが、身がとろりとして柔らかい。火を通しているのに縮まった感じが全然なく、薄皮やふちの筋すら感じず、ウニの食感を思い出すほど。カキもムール貝も1㎏〜500円。あのムール貝こそは一回に2㎏買っても良かったかもしれない。お昼は長いバゲットを二本買って、ハムと野菜を挟んで簡単にしていた。

一度、車で1時間ほどのLa Rochelleという港町に遊びに行った。
途中で壮大なひまわり畑をいくつも通過した。種から油を取るのだろうか、気が遠くなるほどのひまわりが頭を下げて立っている。花びらが落ちて茎も茶色くなったひまわりの畑は、錆びたシャワーがずらーーっと並んでいるみたいでもあり、歩き出しそうでもあり、おもしろい。

9月1日(日)
La Faute Sur Merを出発して、北に向かう。また牧草地帯と淡い牛の群れ。

ギリシャ神話を思い出す。ゼウスが美しい牡牛に化けて女神エウローペに近づき、背中に乗せてクレタ島に連れ去った。エウローペが逃げ回った大陸はヨーロッパと呼ばれるようになった。エウローペの丘は見事な金色だ。円筒型に束ねられた干し草まで大地の栄養と太陽でふっくらしている。

ルーアンという街道沿いの町で一泊。ビストロで外食。夫はボラのソテー、わたしは鴨のアプリコット煮込みを食べた。翌日、最後の食事はクレープリーにてそば粉のガレット。鼓介が頼んだ塩キャラメルのクレープも美味しかった。

小野家の新記録11泊12日のフランス旅行。フランス北西部は家族で毎年行く海という感じがして、とてもよかった。

フランス 海辺の来客

8月25日(日)
裏のLa Faute Sur Merビーチに行く。

引き潮の浜を歩いて巨大なクラゲを見つけた。風が強くて寒く感じる。海と家の真ん中に風よけの松林があっていい香り。松ぼっくりは新太の足くらい大きい。
スーパーUに行ったら閉まっていたので小さなcoopで間に合わせの買い物をして適当な夕食。コーヒー味とラムレーズンのアイス、地元で取れた塩にハーブを混ぜた調味料を買った。

8月26日(月)
雨。風も強い。明日からはまた晴れるらしい。明日は、同じくフランス西部でホリデーをしている双子のマックス&ルビー一家が遊びにくる。何を食べよう。

夕食 チキンのバーベキュー、茹でたジャガイモ、クスクスサラダ

8月27日(日)
快晴。朝、魚市場とスーパーUに行く。ダイアナもアンディも魚が好き。鮮魚と貝とワイン。ああ楽しみ。

マックス一家到着。キャンピングカーでフランスを3週間旅して、イギリスに帰る途中で一泊立ち寄ってくれたのだ。

昼食を食べて海で泳いで、家に戻るときアンディに松林のいい匂いを教えてあげようと思ったら、アンディが先に「カレーの匂いがする」と言った。適当だなあと思ったのだが、実は本当に海と松林の間一帯に、カレープランツと呼ばれるハーブが群生していた。インド料理が得意なアンディ、さすがの鼻。

夕食後、こども達がiPadで流行の歌をかけて盛り上がる。X-factorとキャピタルFMのダンス&ポップスが彼らの音楽番組。『walks like Rihanna』がホリデー中ずっと頭の中で回っている。

昼食 蛤と野菜のスープ、バゲット、サラダ、リンゴタルト
夕食 鯖のバーベキュー、ソーセージ、ムール貝の酒蒸し、クスクス

フランス ドーバー海峡からル・マン

8月22日(木)
小野家2013年の家族ホリデー。フェリーでフランスに出発。

ドーバー海峡を渡ってから車で南下。しばらくは初秋のイギリスと同じ冷気、似たような景色だったが、100km地点あたりで突然暑くなってきた。あっという間に気温が10℃くらい上がったと思う。わたしも運転中の夫も旅人のコートのように上着を脱いだ。

5時間後、ル・マン付近に到着。2泊ここでキャンプする。
『スーパーU』というスーパーに入ったら、店内で友達家族にばったり会った。

夕食 チキンと野菜のバーベキュー

8月23日(金)
たかさん一家と湖に泳ぎに行く。初めての湖水浴、水が柔らかくて気持ちいい。

夕方、夫とたかさんの旦那さん(イギリス人)が男同士でスーパーUに行き、サーロインステーキを買い出し。
子なし、嫁なしで肉を買いに行くことがとても嬉しそうな二人。
こども達はお兄ちゃんチーム、弟チームで意気投合してずっと遊んでいる。

夕食 サーロインステーキのバーベキュー、クスクスサラダ

8月24日(土)
たかさん一家と別れてさらに3時間南下。

一面広がる牧草地帯と丘のアップダウンで、高速道路が細く長く見える。イギリスでもおなじみの風景なのにやっぱり違う。フランスはもっと横に広くて、草が金色味を帯びている。

牛がたくさんいる。白い牛と淡い茶色の牛ばかり。10頭くらいで群れになっていて、群れの牛は全部同じ色。ほっそりエレガントな体つき。

旅の最終地、大西洋に面したLa Faute Sur Merという静かな村に着く。1週間ホリデーハウスを借りて暮らす。

すてきなお宅

夏休みなのでロンドン動物園に行く。

駅でもらえる半額チケット持参が常識のロンドン動物園。正規入場料は家族四人で1万円近く。

大物は虎、ライオン、ゴリラ、きりん、しまうまなど。
あれもいない、これもいない。

三役以上の不在が目立つ動物園ではあるが、ここのみどころは囲いの中のランドスケープかなと思う。
動物達の故郷を模した空間、その広さとデザイン。
オープンハウスに来たみたいで楽しい。
公園並みの敷地にゴリラがたったの二匹、小さなアフリカはけっこう贅沢に再現されている。
家に帰ってからも何となくゴリラの気分でうちの中を見渡してしまう。

昆虫館とバタフライ館もおすすめ。

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昼食 酢飯のおにぎり、ハムサンド
夕食 ピザ・エクスプレスで外食

初土俵

7月はカンカンに暑かった。
庭がすっかり乾いて茶色くなってきた頃に数日にわか雨があった。
芝はまた緑色に戻ったが気温が少し下がって秋の空気が混じり始めた。
夏休み後半。

日本語教師、初授業から一ヶ月。
同僚はおらず、知識と組み合う生徒達だけが手がかりという心細い職業だ。
準備、本番、準備、本番。
オンオフを切り分けづらい上にオンの時はいちだんとハイになる。
脳を占領されやすい。
でも誰にも縛られないから心が自由。
自由のある仕事って新鮮。
労働後の清涼感がはっきりしている。
これもすごくいいところ。
化粧廻しの似合う立派な先生になりたい。

こども達の夏休み。
鼓介はサッカーやテニスに通い、新太はきのう初めて夏の学童のようなところを体験。
ローラースケートをして楽しかったようだ。
習慣化している夕方母子三人そろっての区民プールで一日を納め、
ご飯を食べてこんなところで寝てしまった新太。

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夕食 スパゲティボロネーゼ、きゅうりスティック

ハラヘリ日記

先タームの終盤に、それまで何年間も平和であった小3男子に突然変化が訪れた。
仲良しグループの分裂や派閥争いなど全く予期しなかったことで驚いたが小3男子それぞれの目覚めはある意味たくましいなあと感心もした。鼓介もこの波を乗りこなそうと懸命にバランスを取っている。人間、体幹が大事だ。

さて、そんな心の隙間を埋める絶好のタイミングで新しい趣味『モンスター図鑑』なるものが彼の中で大ブームとなっている。モンスターのプロフィールを考え、絵を描き、命名する。例えば一ツ目のクマのお化けで名前はボブ。本人は無意識に描いているようなのだが、どのモンスターも食べ物を入れたかごをぶら下げている。かごの中身は動物をベースにしたモンスターの場合は木いちごなど果物が多く、あるときは焼きたてのパンが美味しそうに描かれていた。

ハーフターム休暇中の日本語日記も同様に鼓介の脳内マップ丸見えで面白かった。今年は夏が遅くて寒いのにずっと冷たい蕎麦が食べたい、冷たい蕎麦いつ作ってくれるのと言われ続けて本日ついに20℃超え、念願を叶えてあげることができた。良い休暇の最終日となってよかった。

5月25日(日)
キャンプに行って野球をしてあそんだ、13たい13だった。楽しかった。カレーウドンがキャンプの中で一番。ねている時かにが顔をさした。いまでも顔がまだ痛い。

キャンプの食事
夕食:カレーライス(こども)BBQ(おとな)キムチうどん、カップラーメン(おとな夜食)
朝食:パン、シリアル(こども)キムチ雑炊(おとな)
昼食:カレーうどん

6月3日(月)
今日おかあさんとあらたとナチュラルヒストリーミュージアムに行った。きょうりゅうをたくさん見た。たのしかった。そのあと公園に行った。公園ですなであそんだ。七時にかえった。夜ごはんではじめてしょうがをおいしいとおもった。
昼食:ごま塩おにぎり、ブロッコリー
夕食:素麺、野菜炒め

はじめての作文

一週間のハーフターム休暇中、鼓介と毎日30分の日本語学習をした。

ここのところベビーブームで、妹の第二子を筆頭に友人知人10人ほどに赤ちゃん誕生もしくは誕生の予定。一方で鼓介が幼児期を振り返る話などするようになった。8年間かけて大脳に刻まれたシワがついに沈殿していた記憶に到達したのだろう。メモリー再生を記念してはじめての作文を書いてもらった。記憶という言葉と〜です、ます表現を教えた。

『小さいころのきおく』
ぼくが覚えている一番小さいころのきおくは二才のときにチョコレート工場のかいだんからおちて頭を切ったことです。お母さんは家にかえるまでちにきがつかなかったそうです。

春うまれ ぞろぞろ

一ヶ月遅れであらたの誕生会を行った。パーティにテーマを設けるロンドン式にて「折り紙パーティ」。近所のボーイ&ガールスカウトの建物を借りて友達12人を招いた。

折り紙パーティは、こども達に折り紙を選ばせてごく簡単ないぬ(4回折るだけ)ネコ(いぬの応用)などを作る。男の子には忍者(これも4折)が大人気。その後こども達はパス・ザ・パーセルというゲームに移る。これはお菓子や小さなおもちゃをひとつ紙に包み、その上からまたひとつ包み、と何重にもサプライズを包んだ小包(パーセル)を用意する。こどもは丸く座って、音楽に合わせてパーセルを隣にパスしていく。自分のところで音楽が止まったら一番上を剥がして出てきたものをもらえる。親のひとりが音楽をかけたり止めたりするだけ、こどもはあめ玉ひとつで大喜び。一番楽なパーティゲーム。

ふつうはパス・ザ・パーセルを眺めながら会場に残った親達がお茶やワイン飲んで歓談しているのだが、この日は、折り紙から軽食へとセットチェンジするテーブルの隅で、おとなが引き続き折り紙に熱中。鼓介に習った上級編の手裏剣を折ろうとして、2枚同じ向きに折ってはいけないことを知らずに、はまらない、はまらないと騒いでいる。教えてあげたら完成させてスッキリしていた。
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みんなに囲まれてろうそくを消す瞬間はとても特別な気持ちなのだ。新太は夜寝る時にもその興奮を思い出してウフフーと笑っていた。

日本から戻って1ヶ月半の間にこれを含めて誕生会が5回。そのうち3回はもっちゃんち(もっちゃん、夫、夫の兄)で、1回はさっちゃん。春の人たち、みんなおめでとうございます。

昼食 ローストチキン、豆腐の味噌汁、パン
夕食 ハムとごまの炒飯

番頭のいない家

今週は鼓介が4泊5日の校外学習に行っている。

3年生で一週間は長過ぎる!250ポンド(38,000円)は高過ぎる!しかし保護者の文句や別れの涙をよそにバスはケント東岸へと出発していった。

1日目 動物園
2日目 フィールドワーク、昼食バーベキュー
3日目 BroadStairsで海遊び、夜はキャンプファイヤー
4日目 地図とコンパスを持って宝探し、夜ディスコナイト

毎日毎日楽しそうな企画が用意されていて、どれも削りたくないから4泊で押し通しているのかな。仮に2泊くらいで帰ってきても、こどもが疲れていて週の残り半分何もできないのかもしれない。自由参加なので、学年60人中15人くらいは参加せずに日帰り遠足や課外授業をしている。

今日は新太が学校から帰ってからおやつにパンケーキを作った。
いつもなら焼けるまでずっと鼓介に見張られているのだが、あの視線、鼻息を浴びないとこんなに肩が軽い、空気が軽いと感動した。
焼けた端から引っさらってゆく鼓介。焼き加減やトッピング、飲み物、残りの枚数の配分など細かいことで間断なく声をかけてくる鼓介がいない。
番頭のいない使用人部屋みたいな空間、いいもんだなあ。

新太と向かい合って静かに食べたパンケーキは美味しかった。2枚食べ終わるまで一度も席を立たなかった。新太はその後ひとりでテレビを観て、夕飯食べて体操して、8時になったら絵本を読んで寝た。
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おやつ:パンケーキ、生クリーム、苺
夕食:鯖の薫製、グレープフルーツとルッコラサラダ、野菜スープ、パン(新太)
ラムステーキ、サラダ、野菜スープ、パン(おとな)

8歳ボウリングパーティ

あっという間にこの季節が戻ってきた。鼓介8歳の誕生会。今年は友達を8人呼んでボウリングしてケーキを食べた。

人数だけ決めて人選は鼓介に任せたら、仲良しグループ中心に、男気女子1名、校外のサッカー友達1名、転校した子1名が入ってパーティらしい華やかな顔ぶれに。

さて当日ボウリング場では靴を履き替えるとこども達がまず全員一斉に散っていった。何をするのかと思えば場内の色々なところから自分サイズのボールをせっせと運んでくる。この球選び、球運びこそが今回のボウリングのメインだった。8歳では3つ穴に指を入れてまともに投げられる子はほとんどいない。そのかわり両手でまっすぐ転がしたり、放ってみたり、重い球を使ったりするからボールにこだわっている。自分の投げる番が過ぎたらまた新しいボールを探しに出かけたり、見つけたボールを膝に抱えて順番を待ったり十人十球。こんなボウリングでもスペアがちらほら、そして唯一の女子ベロニカがストライクを出し大歓声。

一方、あらたは滑り台みたいな補助具を使えるので高得点を出す黄金の鶏としてチーム内で大事に扱われ、お兄ちゃん達の熱心なお世話でストライク。本当はチームでも対抗戦でも何でもなかったんだけど。1〜3位の景品は鼓介が選んだチカチカ3D(虹色の)のしおり。柄は虎、雪豹、サハラ。こんなんで〜?と思っていたがみんな何の疑問もなく誇らしげであった。

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昼食:ツナとトマトのペンネ
夕食:炒飯、海鮮炒め、鶏肉炒め、餃子(中華テイクアウェイ)

ワールドブックデー

3月7日ワールドブックデー。

イギリスの多くの小学校で、毎年こどもが好きな本のキャラクターの格好で登校する。このコスプレ学習の効果はすごい。学校中にアドレナリンが漂っていた。

女の子は赤ずきんちゃん、アリス、魔女、男の子は戦士、海賊、ウィリー・ウォンカ。単なる「ぼく」(白Tシャツ、ジーンズ、リュックサック)も立派な衣装。通学路ではワンピース(麦わら帽子と水筒)になっている高学年の子を見た。

鼓介は映画、DVD全般が嫌いで観たこともないのに前夜になって突然「ハリー・ポッターになる」と言い出した。急過ぎて無理と断って代りにダンボールできりんの被り物を作った(ロアルド・ダール『Giraff and Pelly and me』)。これがクラスで優勝して図書券をもらった。当日全校にハリー・ポッターが15人いたそうなので、きりんにして良かったねと嬉しそうだった。わたしは『Captain Underpants』のタリクがナンバー1だと思ったけど。新太は『Tiddler』。本人創作によるTiddler怒りの面と合わせて上着仕立てにした。

http://www.fairlawn.lewisham.sch.uk/2013/03/12/book-day/

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夕食 牛丼、納豆、じゃがいもの味噌汁

たのしい川べ

鼓介とWimbledonのPOLKA THEATREに『The wind in the Willows(たのしい川べ)』を観に行った。

すこし前に日本大使館から在英邦人向けのサービスで国語の教科書をいただいた。小学二年生(下)の巻頭は『おてがみ』。時同じくしてイギリスの鼓介のクラスでは『たのしい川べ』が読まれていた。かえるの季節。

劇場作品『The wind in the Willows』も、とても良かった。当時の階級社会を擬人化した話などというけれど4匹が友達なのがいい。性質の違う4人がわあわあやってる感覚がいいなあ。お話のはじまりが早春なのがいい。普段あまり交流のない人を積極的に花見に誘いたくなるような、新しい友達を作りたくなるような話。

The-Wind-in-the-Willows

純粋なふたり

土曜日の朝、新太の水泳教室の時間に日本の妹から電話がきた。

涙声で「お姉ちゃん、今だいじょうぶ?」
緊張。視線は新太のスイミングに固定したまま先を促すと「ママがだめみたい。最期にお姉ちゃんと話したいって」

母は昨年二度入院した。大事には至らなかったが、持病の心臓、視力、リウマチを抱えて70歳を迎え、晩年に入った。わたしの方から電話する回数も増えた。

電話口に母が出る。今日お父さんが出かけている間に頭がくらくらしてきて、鼻血が止まらない。これはだめだな、という感じが自分の体だからわかるのだと言う。

背泳ぎする新太をぐっと睨みながら聞いたばかりの声を高速で巻き戻し、再生。判断する。
よし、わたしもわかる。お母さんは大丈夫だ。

確かな手がかり待って黙しながら、実際危ないのだとしたら、とも考える。やがて母の方から葬式は密葬にして欲しい、親類、盲人協会のみなさんにも言わないで欲しい、あんた達ふたりのことはお父さんに・・・といつもの死後談の調子が出てきた。続いて、ガンを患っていた箱根のお兄ちゃんが先日亡くなったと。ああ死神の影はこれであったか。それから「この電話のこと達也さんに言わないで」とぶっきらぼうになって電話を妹に渡した。わたしは妹を励まして電話を切った。

翌日妹に電話をかけて状況をくわしく聞く。やはり寒さで弱ったところに身内の不幸が重なり怖かったのであろう。今まで聞いたことのない母の生い立ちの話などはじめたので妹が先に動揺してしまったらしい。母もそれに応えるようにふと旅立ちの心持ちになった。そこに鼻血が出てふたりでパニック、一向に血が止まらずそのまま死んでしまうと思ったようである。激情型母娘。想像通りの想像力。
家族のドラマはまだまだ続く。がんばれ。春になったら待望の姉、里帰りである。

昼食 回鍋肉、ごはん

夕食 ツナとわかめの炒飯、豆腐のお吸い物

いくたびも雪の深さを

今年もロンドンに雪が降った。

金曜の登校時に降り出てあっという間に舗道が白くなった。積もるか、積もるか、窓の外と天気予報をにらんでついに午後3時、よし、と弾んでそりのしたくに屋根裏に上がる。放課後Blythe Hillに滑りに行った。

本日土曜。夫とこどもが朝も早々からそりを引いて出て行く。わたしが遅れて着いた頃には滑り飽きて、雪だるま製作をはじめる。

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周りで何組、何家族と同じことをしているので昼近くには一帯が雪だるまの集会のようになった。完成を機に一時下山。ロッジ風の昼食を挟んで午後は友達と合流してまた滑った。こどものそりは軽くて速い。流星のようにぴゅーんぴゅーんと丘を飛ぶ。今年は新太も自力で頂上に戻って来るようになり、ぼうっとしていると運動不足で足が凍る。夕方は積極的に下まで迎えに行って体を温めた。

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予報は明日から来週前半にかけて量は少ないがまだ降ると出ている。

今日一日で一気に削られた斜面が朝には白く甦っているのかどうか。

おやつ チキンラーメン・ミニ(こども)、白玉ぜんざい、きな粉白玉

昼食 ローストチキン レモン風味、ローストポテト、ブロッコリー

おやつ ハムとチーズのホットサンド、ホットチョコレート

夕食 玉子そば

たのしかっ田

学校が長期休みの間だけ鼓介に日本語で日記をつけてもらっている。我が家唯一の日本語学習。1冊終わったらラーメンを食べに行く。

去年の春休みから3冊目。伸びたなーと思う部分が英語(読み・作文・スペリング)の習得とシンクロしている。芯の部分をで吸収できたら逆からも出せるものなのだなと。

そして漢字。日本ファンの外国人の感覚に近いせいかハーフ日本人の子が漢字好きという例はけっこう聞く。うちは漢字練習をしないから七曜日の字が丸一年で何となく完全になったくらいのスローペースであるが、漢字を書きたくて日記が長くなるならありがたい。

漢字の覚え方は独特で月・火・水はムーン、ファイヤー、ウォーター。口、日、田はウィンドウ。鼓介はこの「田」を書く機会を待ち続けていたが、いつまでたっても日記に登場しない。とうとう先日「・・・すごいたのしかっ田。」と書いた。漢字仮名混じり文にはこだわりたいのでそれは訂正した。その後の会話。鼓「田はいつ使うの」母「ふだんはほとんど使わないけど人の名前には多い。えーと(サッカー名鑑に手を伸ばして)誰がいたっけなあ」鼓「(すかさず)ホンダの田!?」母「そうそう」鼓「(感激して)ヨシダも田!?」

日本に行ったら五反田、高田馬場、田端・・・と指差して叫んでくれるだろう。いつか光る田んぼも見せてあげたい。

夕食:納豆ご飯、ひじきとレンコンの煮付け、黒豆、芽キャベツの味噌汁

筆はじめ

仙台の両親からお正月の小包をいただく。

躍り出てきて宝箱に上体を突っ込み、好物の煎餅、和菓子、ラーメンなどを掘る鼓介、新太。こどものいる時間に届くと毎回この騒ぎ。「わー、鼓介にバッグ!!」と歓声。プーマのバッグに入ったスポーティな書道セットが出てきた。お祭の体験書道が楽しかったようなので頼んでおいたのだ。見慣れない習字道具を広げる鼓介。「寿司のモノと醤油が入ってたよ」筆巻き、墨汁を渡される。

背後で「レゴー!」と新太。大好きな折り紙もたくさん。幼児期から触れてきたレゴや折り紙。無駄にしたり苛々したり喧嘩したり飽きたりのサイクルを4〜5年経てゆっくり上手になってきた。長かったがついに最近ひとりで黙々と、の段階に達した。特に甘えっ子の長男鼓介にとって結晶ともいうべきマイルストーン。心身の発達で自然にできることが増えていく爽やかさ。

お習字一緒にできるかな。いっぺん男児を育てたらあんな小さい紙に二文字、四文字書いていたのが信じられない。半紙一枚に一文字にしよう。何年ごしの運筆習得となるか、楽しみ。

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昼食 味噌ラーメン、コーン&ほうれん草のせ

夕食 ふりかけご飯、黒豆、れんこんの味噌汁(こども)豚キムチ炒め(夫)キムチ雑炊(わたし)

サーモンはピンク

双子ちゃんママ、まりちゃんからお正月のお誘い。

まりちゃんは料理が大好き。今回は鮮魚を仕入れて元旦に刺身を食べようという企画により今朝、魚河岸Billingsgateに買い出しに行った。4時に始まり9時に閉まる卸売市場だ。早目に行こうと5時半に出発。6時過ぎには着いたというのに目あての刺身用鯛、まぐろなどは売り切れ。その代りに新鮮な鮭を丸一尾、たったの12ポンド(1,500円)で買った。体長60㎝ほどで、重さといい体の丸さといいエコバッグごしの感触が赤ちゃんのようで、スリングに鮭を入れて歩くところや、不思議の国のアリスの赤ちゃんが豚でなく魚だったら、と想像する。

ほかに牡蠣25個、生海老1kg、蟹2杯、帆立12枚を購入して全部で40ポンド少々(5,500円)。漁師汁など飲めたらねえと話していたが、その場で食べられる物は想像通りフィッシュ&チップスしかなかった。

家に帰ってからまりちゃんが鮭をさばいてくれた。みごと、サーモンピンク。鼓介と新太が起きてきて鮭のカマで遊び始める。恐がりの鼓介もこういうものは平気らしく鮭の口を開けて歯や舌を観察。魚に舌があるなんて考えたこともなかった。切ったそばから食べた刺身、醤油の皿一面に脂の玉。そのあと骨の部分を焼いて味噌汁を作ってみんなで朝ご飯を食べた。

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朝食 鮭の骨身塩焼き、大根おろし、ゆで海老、ご飯、ほうれん草とエノキの味噌汁

昼食 トマトパスタ(こども、夫)、茹で蟹(わたし、夫)

夕食 蟹のクリームスパゲティ(わたし、新太)、ニラ卵炒め、ほうれん草の味噌汁、納豆、ご飯(夫、鼓介)

クロスロード

クリスマスが明け、冬休み中盤に入る。

amazonで買った鼓介のギターのネックが太すぎて返品、買い直しのためHither Greenのギターショップに行く。

Hither Greenは郊外に行くときに通る小さな町だ。町といっても人家が密集した地域の一脈に、間に合わせみたいな店が数軒。静かな商店街を外れまで下ると大通りにぶつかる。歩行者がほとんどおらず高速道路に向かう車で交通量が急に激しくなる。この埃っぽい交差点にギターショップとTriumphのバイクショップが隣接したブルース・スポットがある。真ん中にアンティークの暖炉ショップがある。

その気になっていた店 “South Inn”に入る。天井からぶら下がった水色のフェンダー、桃色リッケンバッカー、つやつやのグレッチに驚く鼓介の顔は鳩のよう。ぐるりと見渡してこれが自分のサイズだな、と指したのはレスポール・ジュニアであった。ゆっくり眺めたいところだったが店主は唯一のお客であるわたしたち親子にギター史を講義するつもりもないらしく、早く向かいの系列音響ショップ“Tune Inn”に戻って仲間とお茶の続き楽しみたい様子であった。手短に3/4サイズのギターを試してLaurenという製品を55ポンドで買った。縁までペッタリ塗った黒いギター。玩具のようだが鼓介は気に入ったらしく、日記に「黒いギターをかった」と書いてあった。店で一番好きだった色はサンバーストだそうである。

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朝食 トースト、ヨーグルト、ミューズリー

昼食 ニラの卵とじスープ、肉まん、海老まん

夕食 豚汁、納豆、キムチ、ご飯、ケールのニンニク炒め

ハラワタグレイビー

クリスマスイブはOne Tree Hillの教会のキャンドルサービスに行く。こども達は夕飯の後、部屋を暗くしてテレビの『スノーマン&スノードッグ』を鑑賞。胸高鳴らせてベッドに入る。

寝る前に日本の朝を想像する。スノーマンのように上空から。メリークリスマス。

25日朝。サンタさんへの手紙の通り、新太の靴下に恐竜、鼓介にサッカーボールが届く。わたしたちからは新太にウクレレとF1カー、鼓介にアーセナル年間会員証と3/4サイズのギター。実家からふたりお揃いのアーセナルユニフォーム。朝食の最中に鼓介の歯が抜けた。

昼近く夫とローストチキンにかかる。鶏は夫に託しわたしはじゃがいもを担当。今年は内蔵付きの丸鶏を買ったので臓物の出汁でグレイビーソースを作った。これが美味しくてびっくりした。かすかに貝類の汁にも似て、貝の旨さはハラワタから絞り出されているのだと発見した。ローストポテトの下茹でを待ちながら隣で煮詰めているグレイビーを何度も舐めた。

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小振りな鶏を4人でむしるように食べ尽くしBlythe Hillを散歩してから洋梨のケーキを食べた。

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朝食 グレープフルーツ入りミューズリー(わたし)トースト、フルーツヨーグルト(夫、こども)

昼食 ローストチキン、ローストポテト、いんげん

鈴の音はすぐそこ

冬休み3日目。一家でロンドンの街に繰り出す。

まずLeicester Squareの劇場で『stickman』を観る。観劇には限りなく無関心の夫もしっかり眼鏡を持参している。出演者たった3人。スタイリッシュな作風にも関わらず、周到な舞台演出が観客(3歳〜)の集中を途切らせない。この頃おかしなところで日本語の教育実習を思い出すのだが、役者達が数多くの小道具を敵確にハンドリングするさまに授業と教材の感触がふと甦る。

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次に昼ご飯はラーメン屋。鼓介が細々続けた日本語日記のご褒美だ。ロンドンラーメンブームの特集を参考にSoho『一点張』に行く。塩ラーメンを頼んだが美味しかった。ラーメン3杯、餃子2皿、チャーシュー丼で昨日の焼き肉満腹とほぼ同額。ラーメンはご馳走なのだ。

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その後は新太と鼓介が予算7ポンドでプレゼント交換するという夫の企画により2組に別れて行動。鼓介&わたしチームはイルミネーションの街を上っておもちゃのデパートHamleysに入る。イギリスのクリスマスは日本のお正月のようなものだと年々はっきりとわかってきた。イブ前日の今日はまさに大晦日の雰囲気。家族ひとりひとりにプレゼントを贈る伝統からすればここの活気は31日のアメ横である。

鼓介の買い物はyes/noチャートのごとく迷いがなく、新太の好きな物の売り場をレゴ(予算超)、プレイモビル(〃)、バイク(有力)ミニカーセット(最有力)と、7階建てのHamleysを次の目的地へと脇目を振らずにずんずん巡って、ミニ・レーシングカーセットに決め、お金を払うまで20分程度であった。わたしも将来こんなチャートで選ばれたプレゼントをもらうのだろうか。

新太組も早々とプレゼントが見つかったようで先に帰宅すると連絡が入る。せっかくなのでCovent Gardenまで歩いて足休めに大道芸を観て、電飾の大型トナカイとツリーにて2012年クリスマスの街を見納め、ようやく電車に乗ったのは5時半であった。

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昼食 ラーメン『一点張』

夕食 ケールとパルメザンチーズのパスタ、洋梨とグレープフルーツのサラダ

焼き肉YAMI

冬休み一日目。

数日前とうとう英国永住権を取得。パスポートが無事返却され、新しい永住VISAの指紋カードもが届いた。今日はKタウンNew Maldenで永住権のお祝いに焼き肉ランチを食べる。日本語教師コースの同級生くもとくんが「10ポンドで満腹」と教えてくれた『YAMI』にて。カルビ2人前、プルコギ2人前、韓国餃子、鶏スープ定食、海鮮スープ定食を食べて46ポンド(6,500円)。確かに安い。わたしはカルビとスープでお腹がいっぱいになりプルコギは食べ切れなかった。ランチ定食はほとんど5ポンド。これは安い。鼓介に肉という字を教えてあげようと思った。

続いて大型食品店に向かう。満腹のせいで購買欲が鈍化しているがクリスマス前後に食べたい素食と、お正月のための買い出し。大根、蓮根、里芋、にら、蒟蒻、ほうれん草、エノキ、柿、キムチ、そば1kg、薄切り肉(牛・豚)、切り餅1.5kg、海苔、干し昆布、納豆、米20kg、玄米5kg、豚まん、海老まん、調味料。しめて約100ポンド(13,000円)。

昼食 焼き肉『YAMI』

夕食 蓮根チーズ揚げ、ほうれん草とエノキのソテー、ご飯、いんげんの味噌汁

鼓介テレビ出演

今朝、鼓介の小学校がズームイン朝的な番組に『赤鼻のトナカイ』で出演。

補聴器を付けた子がいて、サポート先生が学年中に手話を広めこんなチャンスにまで恵まれた。クリスマスソングの手話は振りが可愛いくて、特にこの明るい曲調にぴったり。ipadで観たという東京のおばあちゃんから感涙の電話がきた。画面右角、寄りの時間が長いのが親友のキャス。歌もうまい。撮影はロンドン動物園。

http://www.itv.com/daybreak/family/christmas-choirs-fairlawn-primary-school/

朝食 レーズンスコーン

日本語教師

9月から通っていた日本語教師の資格を取るコースが終了した。

短期集中でハードだったが教育実習は本当に楽しかった。生徒は日本に憧れている人、家族が日本人と結婚した人など。みんな熱心で、日本語云々より日本がこんなに愛されていて嬉しい、日本人で良かったとしみじみ思った。他の受講生の実習を観ながら日本語の響きが改めて好きになった。丸い音が多くて一音一拍なので、イクラのよう。すらすらすらと聞こえるのは淡々として小川のよう。

英語は簡潔に話すときに本当に便利だ。こどもを叱るとき、英語だと頭の中が箇条書きのような状態になる。叱り終えるとスッキリする。それが日本語で叱ると頭の中が文章なので先に文末、章末を考えておかないと自分でも話を見失う。だから叱った後はこどもに「はい」と言ってもらって、ちゃんと終わらせたいと思う。言葉の違いは面白い。

最終日の今日は卒業証書をもらい、鼓介を友達の家に迎えに行って家に帰って来た。二階でコートを脱いでバタバタと台所に入り、まな板に手を伸ばすと目の前に細長い紙が貼ってある。「well done, you’ve finished your course」と鼓介の字。夫に「これ、結婚したくなるよね」と自慢。「俺とは離婚か〜」今日はこども達の学校が泥棒に入られて休校だったので、夫はわたしをコースに行かせるために新太を連れて出勤してくれた。無事に終わってよかった。

夕食:洋風うどん

キャロル独唱

夜、鼓介とOne Tree Hillの教会にクリスマス・キャロルを聞きに行った。

小学校の保護者と先生の合唱団。6年生の合唱。指揮者とソロの歌い手男女各1名は客員のようだった。

このソロの男性が良かった。人間は所詮、管と袋であるという言葉通りに肺と腹を声帯を操って管楽器のように音を出す人だった。今までオペラやシャンソンの歌手は扇情的で苦手だったが聴き方を間違えていたのかもしれない。人間チューバに感動。でも人を感動させようとしてあのように歌ったわけではないと思う。自分という袋の中側を外に返す作業を、己を知る、磨く、演じるの三段階で成就している。こういうことのために人生があるんだな。スタイルじゃない、コンセプトじゃない。ヒューマニティ。

イギリスでは合唱や演劇は小学生から人気の習い事だ。形から入れる楽しさがあるし、体を動かす、声を出すっていう行動主義なところがいい。自分の器を小さいうちから使い込んでいくことの大事さがよくわかる。いろいろなことがシンプルになってきた最近。わたしも自分の輪郭をなぞって次はどの辺を磨いてみようか考え中。

夕食:スパゲティカルボナーラ、ミンスパイ

愉しい秋の夜

ロンドン歳時記、行事の多い秋から冬。

まず10月最終週は小中学校が一週間秋休み。10月31日のハロウィンと11月4日大たき火・5日の花火祭(ガイ・フォークス・ナイト)。この二大イベントが近過ぎる。アメリカの祭りの割り込みだから仕方ない。小野家も仮装が好きな次男、お菓子が楽しみな長男を連れて地元のハロウィンに行った。仮装して夜の原生林を懐中電灯で歩くという催し。寒いので大人はワインやりんご酒、かぼちゃのスープを買って飲む。夜みんなで外で集まるのはこどもも大人も楽しい。

大たき火の夜は共同農園に集まった。最近マックス&ルビーの家とルーカス&エスミの家が一緒に始めた地域の菜園だ。土地を共有している人たちみんなで、2mくらい木を積み上げてぼうぼうと燃やす。畑の余りものを色々投げ込んでいる。セージやオレガノなどハーブの香りが籠っている火でバーガーやソーセージを焼いて食べる。それからマシュマロを枝の先に刺して焙って食べる。表面の砂糖焦げがおいしい。最後に打ち上げ花火を30発くらい上げておしまい。

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11月中旬は小学校のインター・ナショナル・ビュッフェ。各家庭持ち寄りの料理を並べて食べる全校行事。これも夜。きれいに飾られた体育館に各自マイ皿、マイフォーク持参で集まる愉しい行事。わたしが寿司を届けたのがちょうど校長先生のいただきますの挨拶の最中だったが、こどもが「寿司キター」と群がって一瞬で消えた。わたしが食べておいしかったのはルーマニアの肉キャベツ(ロールキャベツ)スープ。それと、ポーランドのレシピで辛いビーツのスープ。ビーツの季節だ。

11月下旬は鼓介のクリスマス劇。これも2日連続の夜公演。3年生『インドの神様』(鼓介のクラス)、『かいじゅうたちのいるところ』4年生『やさしい巨人』『ドリーム・キャッチャー』5年生『アリスの夢』『オズの魔法使い』6年生『真夏の夜の夢』『シンデレラ』。

そして11月最後を飾る夫の誕生日。鼓介は「お父さんはipad3を欲しがっているよ」と一生懸命だったがプレゼントは靴にした。pointerのスウェード。街で下見、ネットで買って贈ったが大きすぎてサイズ交換中。同サイトで自分用に買ったスニーカーは早々と届いて履いている。当日ネット不調でケーキのレシピがわからず、全くどんぶり勘定で製作。丸型にできあがってよかった。

さあ英国は一気にクリスマス!

誕生日 ラムカレー、ビーツと人参のサラダ、梨のケーキ

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ジャパン祭2012

恒例のロンドンジャパン祭。今年ももっちゃんのお好み焼き屋台を手伝いに行く。

今年の会場はトラファルガー・スクエア。日本食屋台とステージを目当てに日本人とロンドンに住む人がどっと訪れる。サッカー場ひとつぶんくらいの人がいたかな。

夫も鼓介・新太を連れて遊びにきてくれたのだが、大混雑のお祭りで小野兄弟迷子騒ぎ。お腹が凍る思いをした。ステージの和太鼓を観ている途中で夫を見失ったらしく、警備のおじさんに連れられて泣きながらお好み焼き屋台に現れたのだ。「お母さんはジャパニーズパンケーキを売っています」と言えた鼓介の伝説は大きくなっても繰り返し語られるだろう。新太は片手をパンツの中に入れておちんちんを触りながら、もう片方の手はしっかり鼓介に繋がれて、極度の緊張で泳いだ目をしていた。並びの屋台のおばちゃんにコーラをもらってお好み焼きを食べながら夫を電話で呼び出す。辿り着いたその姿が迷子2みたいでおかしかった。

昼食 お好み焼き

夕食 天むす(ジャパン祭で)

ケルトの子、ローマの子

小学3年生になった鼓介。今学期の学習テーマはローマ人の侵略。こどもに教わる世界史は本当に面白い。

グレートブリテン島にローマ国の兵士がやってきた。彼らは先住民ケルト人を侵略し、ロンドンの基礎となる町を築いたがヨーロッパ本島での戦が激しくなったので引き上げて行った。

これだけの話。おじいさんから聞いたらどうってことないと思うが、7歳児が語ると未来から来た使者のよう。

わたし「ローマ人はどうして来たの」鼓「新しいLandが欲しいから」わたし「なんでこのLandが欲しかったの」鼓「金、銀、鉄が取れるから」現代の戦争も資源の奪い合いが大きな原因のひとつと教えたその翌日。食卓の温野菜にオリーブオイルを付けながら「新太、このオイルが欲しくて戦争をしている国があるよ」と教える鼓介。このとき彼が想像したのがクレタ島で見たオリーブの林であったか、アバディーンで見た北海油田であったか知らないが、新太はマヨネーズ派である。

学期の半分をかけてひとつの時代を学ぶロンドン小学生。この秋はじっくりケルト人&ローマ人。

夕食:ベイクドポテト&チーズとベイクドビーンズ(こども。マックスの家で)ハムとマッシュルームのスパゲッティ、トマトの卵スープ(おとな)

おねえちゃんの里帰り

さわや歌が遊びに来ていた。

ロンドン小野家訪問も3回目ということで、美術館、マーケットやイギリスの田舎町への興味もさほどでもないローキー滞在。本人曰く里帰り。わたしの方が浮かれてオペラのチケットを取ってしまった。オペラハウスは期待通り歌舞伎鑑賞の雰囲気があってよかった。『魔笛』は堅い題名の印象からほど遠い楽しいお話で『魔法の笛』と呼ぶ方が適切だねとい言い合った。ほかの日は夫の会社の近くのShoreditchやいつも行く海Whitstableなど馴染みの場所に一緒に行った。

さわや歌はウクレレを日本から持ってきて家で弾いていた。

そして今日鼓介が学校に行っている間に日本に帰っていった。鼓介がどうして帰ったかというので仕事があるからと答えたら「ああ〜ウクレレ?」「それは趣味だよ。さわや歌はオフィスで働いている」「何してるの?タイピング?」「さわや歌はボス?」と次々に質問が来た。はじめ同居人、そして居候、今新婚OL、未来はウクレレのボスかもしれない。おねえちゃんはユーラシア上空。またきてね。みんなもきてね。

昼食 イワシのディル&チリソテー、ズッキーニとバジルのサラダ、パン(さわや歌、わたし/Green and Blue)

夕食 キャベツとベーコンの炒め物、ひじきご飯、豆腐の味噌汁

サンデー島の夏休み

オークニーから帰って来た。

サンデー島の南西端にあるロージーの家から反対側の端までが車で10分。人も家もほとんどない。

島は横から見ると抹茶タルトのようだった。海抜が低く、土地が薄く平らで、砂の地盤、黄色い岩層、草の緑の層。大きな木がない。広い海も彼方まで遠浅。視界に凹凸というか、腰高以上のものがほぼ出現しない。小麦畑を歩いていたら大きな犬の背中を歩いているようだった。同じ場所を夜散歩したら月の明かりでシシ神さまだった。貝の取れる海に連れて行ってもらった。水が引いて光る砂の上を見渡せる限り歩くことができ、月面で潮干狩りしている感じがした。

海で泳いだらアザラシが少し離れたところで泳いでいた。止まるとアザラシも海面から顔を出す。泳ぐと平行して着いてくる。

ロージーもその彼もベジタリアンなので食料は庭の菜園からと、ロージーの焼くパン。ごちそうとして島の魚介類。蟹は身も旨みも詰まって美味しいのが毛蟹サイズで1.5ポンド!潮干狩りで取ったcocklesという貝は蛤の身を小ぶりにしたような上等の味。貝肉はそれほど厚くないが、袋の中にたっぷり水分を含む性質のようで、一粒ごとに海の味がして久しぶりにとろけるような幸せを味わった。セスと夫が魚も釣ってくれた。淡白で柔らかい青魚を頭からバリバリ食べたら恐がりのロージーの彼がギョッとしていた。

遅く起きてご飯を食べ、海に行き、ご飯を作る以外全く何もしない生活。学生時代から休暇は隠遁派で、中学高校は箱根のおばさん、大学になったら沖之永良島の曾祖父母のところへと通ってはボーッとしたものだが、またそういうぴったりくる場所に辿り着いたのが嬉しいと思った夏休み。